「コロナ禍でのパチンコ営業」~中高年層の呼び戻しには甘デジが有効?


緊急事態宣言と営業自粛要請の解除を受け、全国のホールで営業が再開されましたが、客足が思うように戻らず、中でも「中高年~高齢の常連客が減った」という声が各所で聞かれています。この背景には、コロナウイルス感染に対する不安、4~5月のパチンコバッシングに伴うパチンコ遊技への後ろめたさ、営業再開直後で回収されてしまうという先入観などが挙げられますが、それ以前の問題として、1か月~1か月半の自粛でパチンコをしない生活に慣れてしまい、パチンコ遊技そのものへの興味がなくなってしまったことすら危惧されます。

来店客数の回復に大きく寄与するだろう話題機種の導入も恐らく7月下旬~8月へとずれ込み、この苦しい状況はまだまだ続くでしょう。やはり「ビフォーコロナ」の営業状況へ戻るには1~2年の長い歳月が必要とされ、他業種と同様、「アフターコロナ」「ウイズコロナ」を念頭に置いた営業を考えていかなければなりません。

◆新台入替によって行える折り込みチラシや郵送DMの重要性

営業を少しでも早く軌道に乗せていくためには、中高年~高齢層の呼び戻しが有効です。そこで、彼らがどの様なきっかけでパチンコホールに来店しているか、日ごろどの様なスタイルで遊技しているかを再度確認していく必要があります。

▼60代以上男性が利用する情報収集媒体


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上の表は、60代以上の男性を対象に、パチンコホールの情報を得るために利用する情報媒体を質問したアンケート結果です。これによると、「その他(折り込みチラシなど)」「郵送DM」が上位を占めました。ホームページ、WEB動画、SNSなど、インターネットを活用した情報媒体は増加の一途を辿っていますが、60代以上の男性には依然として「紙媒体」での宣伝効果が高いことが分かります。また、今回は掲載していませんが、60代以上の女性については、「その他(折り込みチラシなど)」が突出し、その重要度がさらに高い結果が示されました。

やはり、時代は変化しても60代以上のユーザーに対しては、旧来から利用されているチラシや郵送DMを用いて情報を伝達することが来店意欲を高めるきっかけとなります。現在は広告宣伝の自粛が完全に解除されていませんが、自粛がさらに緩和された際には新台入替によって行える折り込みチラシ・郵送DMなどでの告知を上手に活用し、中高年層にしっかりとアプローチしていきたいところです。

ただ、ウイルス感染を恐れ、パチンコホールへの来店に躊躇している中高年ユーザーは依然多いかと思われます。そのため、「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」に基づき、予防対策を万全に実施していることもアピールしていった方が良いでしょう。

 

◆中高年ユーザーの遊技予算はますますシビアに

昨年発表された日遊協によるファンアンケートでは、以下のような結果が示されました。

▼直近3ヶ月 ホールへ行く月平均回数


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▼遊技するジャンル


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これによると、中高年ユーザーの遊技スタイルは以下の様なものと捉えることができます。


  • 「1円パチンコ」を主に遊技。
  • 来店頻度が高く、「ほぼ毎日」来店するユーザーも多いが、「男性50代」以外では、1回の遊技につき「1万円」未満の予算しか投じないユーザーが5割を超える。

<参照:平均遊技予算>
男性60代以上:約15,975円、女性50代:約17,789円、女性60代以上:約15,955円。


現在のコロナ禍では、もともと遊技予算の少ない中高年ユーザーにおいても、緊急事態宣言発令中の所得や収入の減少、雇用制限、補助金助成の遅れなどで可処分所得が減るという問題に直撃しており、遊技予算がますますシビアになることが予測されます。さらには、1つの屋内空間に長時間滞在することが良しとされない風潮の中、仮に彼らがホールへの来店を再開したとしても、当面は長時間での遊技を敬遠するかもしれません。

この様にユーザーの遊技環境や心理が変化していることを考慮すると、7~8月に投入する新機種については「安・近・短」が求められ、パチンコでは、短時間、低予算で遊べる「甘デジ」が1つの鍵を握ると考えられます。コロナ前では、「高継続×高速」のミドルタイプが運用面で重視されていましたが、現在は自粛解除後で大きな勝ちが期待できないという心理も働くことによって、これらミドルタイプでの腰を据えた勝負に躊躇してしまう恐れもあります。これに対し、「甘デジ」では、予算、時間の双方で制約が少なく、数か月ぶりの来店であっても遊技への抵抗感があまり生まれません。

再開後のパチンコ営業を軌道に乗せていくためには、甘デジに注力していくことが重要です。

また、1円などの低貸玉コーナーに甘デジを多く設置している店舗が大半を占めることから、甘デジの強化は低貸玉コーナーにも好影響を与えていくことが想定できます。

つまり中高年ユーザーを4円の甘デジコーナーへと集客することにより、低貸玉コーナーの間で回遊が起こり、いずれは、パチンココーナー全体の客数増加につながっていくことでしょう。

◆8月を目標に中高年ユーザーを再集客すべき

コロナ禍の営業を軌道に乗せる上では、中高年~高齢の常連客に対し、新台入替による折り込みチラシ、郵送DMなどの「紙媒体」で来店意向を高めつつ、「甘デジ」でパチンコ遊技を再び習慣づけていく必要があります。

営業を再開したばかりの現在は常連客の確保すらままならず、「何とか営業を続けていく」ことのみに従事するかもしれません。ただ、7月からはパチンコ、パチスロ共に新機種の導入が再開され、さらに8月には書き入れ時とも言える盆商戦を迎えます。この流れを踏まえると、8月の盆商戦期に向けて常連客を呼び戻すことを目標に据え、遊技機への投資を再開していきたいところです。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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