「P とある科学の超電磁砲」 ~ HYBRID MIDDLEで迎え撃て!! ~
皆様こんにちは。玉男です。
今回は藤商事様の新機種、「Pとある科学の超電磁砲」(※以下、レールガン)について考察していきます。
当機種は導入予定日が1/11となっております。導入予定台数は20000台です。
藤商事様が今最も力を入れている「とある」シリーズの2作目となります。
前作である「Pとある魔術の禁書目録」(※以下、インデックス)は、コロナ禍の難しい情勢の中リリースされたにもかかわらず非常に優秀な稼働貢献実績を残しました。
スペック面ももちろんですが、やはり「とある」シリーズというのは力のある版権なのだと感じさせられました。
コロナの影響で若年層のユーザー様の割合が増えたことともマッチしていたと思います。
前作の実績を踏まえ、業界内外に期待する声が大きいレールガンですが、今回はやや複雑なスペックと版権力の両面から考察していきたいと思います。
①RUSHのゲーム性
②大当り振り分け詳細
③版権
それではスペックについて見ていきましょう。
詳細は下記になります。
強ライトミドル帯の時短突破型ST機となっています。
※1種2種ですが便宜上STとさせていただきます。
詳細は各項目で解説しますが、”普図抽せんのST”と”大当り3つがワンセット”という特徴があります。
細かく説明すると規則の深い知識が必要になりますので、今回は大まかな遊技フローと出玉面の特徴についてのみ触れさせていただきます。
~①RUSHのゲーム性について~
最初に、レールガンは普図(電チューを開放するために抽せんする図柄)を規定回転数抽せんする「普図ST」と呼ばれるゲームタイプになります。
同様のタイプは同じく藤商事様の「P緋弾のアリア 緋弾覚醒編」(※以下、アリア)と「P暴れん坊将軍 双撃」(※以下、双撃)しかありません。
右打ち中は特図ではなく普図を抽せんし、普図の大当りを引けば電チューが開きます。
電チューに入賞させることで特図2を回せるようになり、この特図2の大当り確率(小当り確率)が1/1なので電チュー入賞=大当りを引けるという仕組みです。
普図なのでゲートで抽せんすることも可能ですが、レールガンにゲートはなく、一番下の丸のみポケットに入賞させることで抽せんを行います。
レールガンはアリアよりは双撃に近いゲーム性です。
双撃は普図に当選して電チューが解放した際、当該変動+保留1個で合計2回分大当りを獲得することができます。
レールガンはこの大当りの数を増やし、当該変動+保留2個の合計3回大当りすることで、1つの大量獲得大当りを搭載しているように感じさせる設計になっています。
また、双撃の時は1回の大当りが10R(1000発)固定だったためALL2000発の払い出しとなっていましたが、レールガンは振り分けを持つことによって上振れも望める構成になっています。これについては②で解説したいと思います。
最近は1500発の上限を突破して、1回の大当りを契機に複数の大当りをセットにすることで大量獲得させるというスペックが出てきています。
現在市場で人気を得ているSANKYO様の「PF機動戦士ガンダムユニコーン」(※以下、ユニコーン)は初回大当りの振り分けで1500発を引くと、次回大当りが補償されておりそちらも1500発なので最初から3000発の大当りとしてアピールしています。
こうした複数セットの大当りにおいて重要なことは、補償されている大当りを取り終えた後に、必ず元のRUSHに戻ることだと考えます。
例えば確変大当りも通常大当りもどちらも1500発の払い出しがある確変ループ機で、確変図柄を引いたときに「3000発ボーナス」と言われても、2回目の大当りで通常を引いていたら時短に落ちてしまいます。
複数セットの大当りは、単に次回が保証されるのが価値なのではなく、その後RUSHに戻ることに高い価値があります。
この点は双撃やユニコーン、レールガンは守れているので、ユーザー様にも「大当り〇回」ではなく「1つの大きな大当り」として認識してもらえるでしょう。
RUSH中は1/68の普図当りを引くことを目標に100回のSTを消化します。
継続率は約77%ですが、レールガンは3個目の大当りが10Rだった場合、その50%(全体から見て10%)で時短が3000回つきます。
実質次回普図当り確定なので、それを加味した継続率は約80%となります。
RUSH突入のためには特図1で大当りした際に7%の直通を引くか、1/168の普図当りを100回以内に引く必要があります。
1/168を100回以内に引ける確率は約45%で、直通と合算すると約50%になります。
1種2種なので普図の確率を変動させることはできませんが、あらかじめ複数持つ方法があるので、それを採用しているようです。
こういった自由度の高さも1種2種の魅力といえるでしょう。
~②大当り振り分け詳細ついて~
前述したとおり、レールガンは1回の契機で3個の大当りを獲得することができます。
これは特図の抽せんですので、1つ目の大当りが終了したらすぐに2個目、3個目とつながります。
これらを一つの大きな大当りとして表すとどうなるかを表にまとめました。
最も大きな割合を持っているのは2R×3回の600発払い出しの組み合わせ⑧で、約51%となっています。
それ以外は1500発以上の獲得となるので、1回の契機で獲得できる出玉数としては魅力的な振り分けといえるでしょう。
特に約10%で3000発以上獲得できるのは、十分な遊技動機になると思われます。
最低出玉の600発というのも、80%継続・50%突入のライトミドルであることを考えると、少ないように見えてしっかり出玉感に貢献してくれると思います。
類似するラウンド振り分けとしてサミー様の「CR真・北斗無双」のデータも掲載しますので、ご参考にしていただければと思います。
ただし、手放しで褒められないポイントが二つあります。
まず一つ目は、2R大当りの時と特図1の8R大当りの時に使用される上アタッカーです。
このアタッカーは10C×賞球5のアタッカーとなっており、1R当りの払い出しが50発と非常に少ないです。
表示出玉と差玉が乖離することによる、実際に計数した際のがっかり感を助長する懸念や、払い出しスピードが遅いことによる間延び感が懸念されます。
ここはぜひとも5C×賞球10くらいにはして欲しかったポイントです。
二つ目は、その他入賞口(フロック)への入賞です。
藤商事様から公開されている資料には、例えば2R×3回の場合、約650発の払い出しがあるとされています。
京楽様の「Pウルトラマンタロウ2」の「タロウチャッカー」のように、大当り中にその他入賞口に入賞させることで払い出し出玉を増やすという試みですが、右打ち中に入る一般入賞口の賞球が1個となっているのです。
インデックスの「LIMT BREAK CHANCE」での電チュー入賞でも同じことをしていましたが、賞球1の入賞口への入賞で払い出し出玉を水増ししているということです。
最近ではSNSにリザルト画面の写真をアップするユーザー様も多く、そこでの印象アップを狙ったのでしょうが少々やりすぎという感じが否めません。
実際には1発も増えていないのに増えたように見せかける手法で、大当りの名称にも「2000」という数字を使用しています。(アタッカーからは1900発しか払いだされません)
出玉割合の円グラフについても、600発払い出しの割合を51.2%から50%に丸めて、2000発以上の出玉が半分を占めているように見せるなど、誤認上等ともいえるPRの仕方です。
台間ポップを用意される際は細かな数字に注意し、ユーザー様に誤解を与えないよう注意が必要です。
また、「2000」と表示されている大当りで2000発払い出しが受けられないのも不快感を与えますので、その他入賞口は締めない方が良いでしょう。どうせ賞球1個で増えませんし…。
(開けすぎても消化が遅くなるだけでいいことはないので、触らないのがベターです)
~③版権について~
「とある科学の超電磁砲(レールガン)」は「とある魔術の禁書目録(インデックス)」というライトノベルのスピンオフ作品です。
スピンオフとはいえテレビアニメが3期まで放送されており、レールガンにしか出てこないキャラクターのグッズも作られるほど、本家に負けない人気を持っています。
最も有名な第一期OPテーマソングの「only my railgun」をYoutubeで検索すると2000万回以上再生されているほど長く愛されており、この曲を打ちながら聞けるというだけで遊技動機になる方も多くいらっしゃるようです。
その点は藤商事様も把握していらっしゃるようで、ぱちんこオリジナルの楽曲を搭載したり、演出量もインデックスからさらに強化しているとのことで、元々強い版権のファン獲得をしっかり見据えた作りになっているといえそうです。
~最後に~
さて、今回は「Pとある科学の超電磁砲」について考察させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
藤商事様のお家芸である普図STを使った、新しい大当りによるスペックは魅力的です。
また、版権もビッグタイトルで、それに見合った演出面の力の入れ具合から考えても、年始の稼働を期待するには十分な魅力を持っていると思います。
払い出しの水増しに関する懸念はありますので、この点がユーザー様に正しく性能が伝わるようにしていただいて、水増ししていてもそれが気にならないくらい、良いスペックだと感じてもらう環境づくりが重要だと思います。
それでは今回はここまでと致します。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。
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