「P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりVer」~鬼がかり3000~
皆様こんにちは。玉男です。
今回は大都技研様の新機種、「PRe:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりVer」(※以下、鬼Ver)について考察していきます。
当機種は導入予定日が1/11となっております。導入予定台数は15000台です。
鬼Verは今年の1月に導入された「PRe:ゼロから始める異世界生活」(※以下、本スぺ)のスペック変更機です。ですがスペックは全くの別物になっており、それに合わせてRUSH中の演出もすべて新規になっているため、前作との比較ではなく一つ一つを掘り下げて考察していきたいと思います。
①RUSHのゲーム性
②版権
それではスペックについて見ていきましょう。
詳細は下記になります。
1種2種混合機のミドルスペックとなります。
ゲーム性は1種2種のSTタイプで約1/99.9を144回以内に引けばRUSH継続となります。
特筆すべきは特図1の55%と特図2の25%で、1回の大当りを契機に3000発得られる点でしょう。
この3000発は10Rの大当り2回ということなのですが、これまでの1種2種であった「実質次回までの電サポで2回分合計が3000発」というのとは全く異なる方法で実現されています。
これにより2つの大当りの間の待ち時間はほぼ0になっており、本当に1回の大当りで20R分獲得している感覚があるとのことです。
実現方法の詳細は少々複雑ですので、下記の①の欄でご説明させていただきます。
正直、仕組みについては理解していなくても遊技にや打感には全く問題なさそうです。
(個別に演出などが用意されていたら別ですが、その可能性は低いでしょう)
なので先に中身の説明より、実際にユーザー様が感じられる打感目線で、スペックを評価したいと思います。
まず通常時ですが、1/319.68で特図1の大当りを引くのは普通の機械と同じです。
最初に注目したいのは「55%で3000発+RUSH」or「45%で1500発の通常」という振り分けです。
1種2種なのでRUSH非突入の際に低確率の時短を付けることができないのはデメリットですが、大当りすれば最低でも1500発、平均すると2325発もの払い出しを受けることができます。
昨今、特図1の出玉を削ってRUSH性能に回している台が多い中で、これは非常に大きな差別化ポイントになるでしょう。
次にRUSH性能です。初回出玉に割いている分、性能が下がっているかと思われましたが特図2の平均獲得玉数は1593発と、現在の上限である1500発を超えています。
その分RUSH継続率は77%と、最近の81%×ALL1500発と比べると低くなっていますが高い平均出玉のおかげで、RUSHTYは8189発と非常に高い爆発力を持っています。
3000発の振り分けを持っている代わりに0発でST回数だけ再セットする振り分けが14%存在します。
これは、1種2種のSTが時短であることを利用したc時短抽選によるもので、過去の2R確変のようなものです。
ループタイプの2R確変は賛否ありますが、ST機における出玉なしの巻き戻しは、単純にチャンスが広がるので、残り回転数によっては非常に嬉しい存在にもなりえます。
こういった「継続率が若干低い」「出玉なしの振り分けがある」という不満点に対して、「初回出玉の手厚さ」「RUSH中の平均獲得出玉の多さ」という理由がきちんと見えるようになっています。
本スぺの方は小当りRUSHの性能こそ高かったものの、「白鯨突破のハードル」「確変率の低さ」「時短の少なさ」など、目立つデメリットに対して期待値でしか理由を説明できませんでした。
これでは一般ユーザー様の納得が得られないのも当然で、そこが大きく改善されている点はきちんと市場をみてフィードバックがされているということだと思います。
ここまで見てきた中でお気づきの方も多いかもしれませんが、鬼Verは非常に甘い台です。
へそ賞球1の機械が続々と出てきている中でも、頭一つ抜けて甘いです。
また、MYは22100発という情報があり、こちらも今後リリースが予定されている機械と見比べてもトップの性能です。
おそらく初回の3000発とRUSH中のラウンド振り分けのおかげで、スタートラインが高く、波も荒くなっているのためだと思います。
年末年始はビッグタイトルが目白押しで、版権力競争で言えば鬼Verの優先順位は下がるでしょう。
出玉面での訴求力は最も高いといえるので、きちんと回してMYアピールを行うことが、ビッグタイトルに埋もれないために必要だと考えます。
初回のダメな方で1500発もらったとしても、それで満足されるユーザー様は、このスペックを打つ層にはいないと思います。
持ち球比率と客帯は元々優秀な設計だと思いますので、是非出玉で他のビッグタイトルと一緒にホール様を盛り上げていただきたいと思います。
私自身も、RUSHに入れても3000発が引けなかったら持ち球で追いかけてしまうと思います(笑)
~①RUSHのゲーム性について~
まず、上記のスペック表を実際の処理の形で書き直します。
赤字にしているところが実際の処理と遊技感とで異なる部分です。
一つ一つ見ていきましょう。
〇高確率について
普通の1種2種混合機であれば、特図2に小当り確率が設定されており、それが遊技をする上での高確率に該当します。
鬼Verは特図2に小当りは持っておらず、その代わりに特図の大当りに加えて2種類のc時短を抽せんしています。
この3つの抽せんの合算確率である約1/99.9を、今回は高確率として便宜上使用することになります。
〇時短回数について
結論から言うと、鬼Verには2種類の時短があります。
この記事では電サポが開く時短を時短A、電サポが開かない時短を時短Bと呼ぶことにします。
電サポが開く時短はそのまま普通の時短ですが、電サポが開かない時短は特図2の変動時間が短くなるだけです。
特図2は右打ちの最下部の丸のみポケットに入賞することで変動しますが、通常時と時短A中はロング変動となっているとのことです。
表の右側でRUSHと記載しているのは時短Bのことで、ST144回転は丸のみポケットで消化することになります。
〇20R(3000発)について
この3000発の払い出しは言うまでもなく10R(1500発)が2回ということなのですが、鬼Verで最も特徴的なのは二つの大当りのつなぎ方でしょう。
ここでようやく時短Aが登場します。
時短Aは電サポが開く&特図2がロング変動と書きましたが、この時電サポに入賞させると1/1で小当りが発生します。
電チューの中は、普通のぱちんこは特図2始動口となっていますが、鬼Verはそこが「特電作動口」と呼ばれるものになっています。
この「特電作動口」とはその名の通り「特電(特別電動役物=アタッカー)」を作動させる(小当り)だけの機能を持ちます。
過去に使用されていた機械はサミー様の「CRアラジンディスティニー」以外見つけることができませんでした。
この特電作動口ですが、図柄を持たないので
・アタッカーが開くまでの時間を変えられない
・ラウンド振り分けを持てない(球での物理抽せんなら可能)
などのデメリットがあり、普通の機械で使われることはまずありません。
今回はその機構を使用することで、電チュー入賞→小当り→V入賞の順で一律1500発の大当りを発生させることを可能にしています。
55%の1500発大当りも同様に、c時短Aに当選することで時短Aに移行し、その後電チュー入賞→大当りの流れで1500発が払い出されます。
まとめると3000発獲得の流れは下記になります。
①通常時の特図1の55% or 時短B中の特図2の80%を引く(ともに1/319.68)
↓
②10R大当り消化後時短Aに移行
↓
③時短A中に開く電チューに入賞させる
↓
④特電作動口により小当り開始(1/1)
↓
⑤小当り中にアタッカーに入賞させることでV入賞
↓
⑥V入賞後開始される大当り(9R)消化後、時短Bに移行
手順は多いですが内部的な話で、ユーザー様が何か特別なことをする必要はないはずです。
台間ポップや機種説明を作成する際は、表の左側の情報を基に作成された方が、実際にユーザー様が体感される挙動に合っていると思いますので、混乱を避けるためにもそちらをお勧めします。
〇c時短について
先ほども少し触れましたが、c時短Aが時短A状態に移行(10R大当り獲得)で、c時短Bが時短Bを再セットするものになっています。
個別に確率を持っており抽せんされていますが、転落抽せんのようにどちらかが先に抽せんされるというものではないです。
ユーザー様の体感としては「1/99.9の14%である出玉なしの突確を引いた」のと変わらないので、こちらも混乱を避けるために、表の左側のようにラウンド振り分けに入れてしまう方がわかりやすいでしょう。
〇総評
前述しましたが、時短回数の上限がなくなったことにより、実質次回確定の電サポ回数を付与することで2回1セットの大当りを実現できるようになりました。
現在の市場でもSANKYO様の「PF機動戦士ガンダムユニコーン」が、初回から3000発獲得できる大当りを搭載していることで非常に良好な稼働実績を残し続けています。
3000発確定の大当りがトレンドになる兆しがある中で、この構成により2回目の大当りの待ち時間をほぼ0にできることが、鬼Verの大きな強みでしょう。
まだ実際に消化するところは見れていませんが、SANKYO様の「PFゴルゴ13 疾風Ver」(※以下、ゴルゴ)と同じ感覚で3000発の払い出しを受けることができるはずです。
また、ゴルゴの構成は残保留引き戻しによるものなので、必然的にループのようなタイプしか作れませんし振り分けも持てません。
ロングSTの打感を実現しつつ、振り分けの中に3000発を入れることができるこのスペックは今後CR機がなくなる市場において非常に高い需要を持っていると思われます。
どのような演出が搭載されているかはまだ分かりませんが、10Rか20Rか再抽選するような演出があれば他の機種にはない強力な脳汁ポイントとなり得ますので、RUSH中の演出にも期待したいです。
一点、注意しなければならないのは止め打ちのタイミングです。
時短A中は電チューに入賞させることで大当りを開始することができるのですが、ここで打ち出しを長時間止めてしまうと通常に落ちてしまう可能性があります。
普通に打ちっぱなしにしていれば問題なく消化できるはずですが、1回目の10Rを消化し終わったとき、放置したらどうなるかは確認をお勧めします。
液晶でも注意喚起はすると思いますが、打ちっぱなしにしてもユーザー様がストレスを感じないゲージ構成になっているかも合わせて評価すべきでしょう。
~②版権について~
今年の1月に導入された本スぺは、内規変更前で出玉性能が上げられず、複雑な突破フローも相まって非常に残念な稼働結果に終わってしまいました。
しかし、版権そのものの力は健在で、TVアニメ二期放送やスマホアプリのサービス開始、各種コラボなど多くのコンテンツで「リゼロ」を目にする機会は増えているようです。
本スぺのボトルネックであった「複雑で出そうと思えない」スペックから「単純明快で出そうと思える」スペックに文字通り「死に戻って」きた鬼Verであれば、版権ファンの方にも納得してもらえると思います。
スペック違いなのでどこまで演出が変更されているかはわかりませんが、RUSH中はすべて新規で、通常時も変更や追加がされているとの情報もあります。
版権人気はまだ継続しているという認識で、演出面も評価されることをお勧めします。
~最後に~
さて、今回は「PRe:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりVer」について考察させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
スペックの解説がメインになってしまいましたが、もっともよい点は、この複雑なスペックを一般のユーザー様が理解しなくても魅力的だと感じられるように置き換えられるところだと思います。
「ST144回」「継続率77%」「55%で1500発」「25%で3000発」という認識で問題ないので特殊スペックの一番の課題である分かりにくさはクリアしていると思います。
時速は40000発以上との情報もありますが速すぎる台は演出も単調になりがちです。
RUSH中にちゃんと脳汁ポイントや版権を活かした演出があれば、年明けの稼働に十分期待が持てると思います。
それでは今回はここまでと致します。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。
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