「Pフィーバーアイドルマスターミリオンライブ!」~New SPEC Vループストック~
皆様こんにちは。玉男です。
今回はSANKYO様の新機種、「P フィーバーアイドルマスターG」について考察していきます。当機種は導入予定日が2/8、導入予定台数が約20000台となっております。
本機は業界初の「Vループストック」という機能を搭載しています。
まったく新しい仕様で評価されている反面、複雑な為懸念もされております。今回はこの機能を中心に、スペックと版権の両面から考察できればと思います。
注目機種ですので、仕様や仕組みについては既に周知されていると思いますが改めて説明させていただきます。またユーザー様やホール様が何を懸念されているかも深堀りしていきたいと思います。
それではスペックについて見ていきましょう。詳細は下記になります。
上記したとおり、本機にはVループと言うこれまでのぱちんこにない状態があります。
詳しい仕様はかなり複雑ですので、割愛しつつ後述します。
①Vループストックについて
②ストックタイムについて
③版権について
~①Vループストックについて~
本機はVループストックと言う特殊な状態を持っており、そこが出玉を得るための状態になっています。このVループストックについて解説します。まず言葉を分解します。
・V…1種2種混合機のV(玉を通すと大当りが開始される領域)
・ループ…次回の大当りが確定している遊技状態(確変ループと同じだと思っていただいて問題ありません)
・ストック…最大4つまで「ループする状態」をストックできます
確変ループタイプは、次回の大当りが確定している代わりに、ダメな大当りを引くとその状態が終わってしまうというゲーム性です。本機は例えるなら、確変状態を最大4つまでストックすることで、ダメな大当りを引いても確変が継続するということです。Vループ後のゲームフローは下記の図のようになります。
本機の特徴として抑えていただきたいのは、大当りがループする「状態」を複数個ストックできるというこれまでのぱちんこにない新機能を搭載しているという点です。
ストックは最大で4個までで、それぞれの確率は下記の表のようになっています。
1/319を突破したあとのループ付与率が私としてはかなりしんどい印象を受けます。
本機は2個以上ストックして初めて、他機種より優位になれる設計です。2個以上ストック出来る確率が30%を切ってますので、このあたりは評価が分かれる箇所でしょう。
ただ4個ストックした時の出玉の期待値は14000個以上とのことですので、夢がある仕様である事は間違いありません。ギャンブル性の強い機種ですので旧MAXユーザーや源さんユーザーなどが遊技されるかもしれません。また、遊タイムが非常に弱い設計になっている事も懸念されているようですね。別件ですが、このゲーム性を使えばとんでもない出玉量を出せるスペックも作れてしまうので、既に業界の組合で規制をかけるという噂もあるとのことです。この噂自体も信憑性が定かではないですが、今後類似の機種が出せなくなるとしたら、希少性が高まる可能性はあるかと思います。
では肝心のストックについての説明に移ります。
~②ストックタイムについて~
ストックタイムとは文字通りストックを貯めるための状態で、特図1をメインで変動させる時短100回or150回のことを指します。本機においてストックとは「特図2保留が貯まる」ということを指します。
本機の盤面右側には3つの役物が付いています。
一番上から
・特図1非電動役物(黄)
・特図2非電動役物(赤)
・非電動役物作動用普通電動役物(赤電チュー)
となっています。
非電動役物とはその名の通り、電動では開いたり閉じたりできない役物のことです。基本的には別の入賞口に入った玉の重さで開き、役物に入賞した時にその玉の重さで閉じるという動きをします。同社の「CR FEVERマクロスF3」や「P FEVERマクロスΔ」にも搭載されています。
まず、電チューと二つの非電動役物の関係について説明します。(各名称と位置関係は上の図をご確認ください)
電チューは、すぐ上にあるゲートに玉が通ることで抽選を行いその抽選結果によって開きますが、本機の場合は開き方が二種類あると思っていただければよいです。
1/350に当選した場合はAという開き方で、それ以外の349/350に当選した場合はBという開き方をするとします。Aの状態で開いている電チューに入賞すると、特図2用非電動役物が開き、Bという状態で開いている電チューに入賞すると特図1用非電動役物が開くという仕組みです。二つの非電動役物の中は特図の始動口になっていますので、本機ではほとんどの場合で特図1の非電動役物が開き、時短も特図1を優先して消化します。
そして、この時短消化中に1/350に当選し、電チュー⇒特図2用非電動役物と順に入賞させることで特図2の保留を貯めることが可能になります。
これが本機でストックと呼んでいるものの正体です。この特図2の保留自体が72%のループ率を持っているため「ループストック」という名称になっています。
要するに、時短消化中により多く(最大4回)1/350の抽選をとれば、その分ループ状態をストックできるということです。また、時短中は変動中も特図2非電動役物の抽選は別で行われますので、打ちっぱなしが推奨されます。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、通過する玉の数(抽選回数)が時短回数とは非同期なので、釘によって抽選回数に差が生まれます。
この「ホールが突入率を調整できる」というのが、懸念される最も大きな要因ではないかと考えます。
へそやアタッカーを締めるのとは訳が違います。ホールが意図的にスペックダウンできるんですからね。一応上げる方向にも調整することはできそうですが、多くのホール様は締める運用を想定されていると思います。しかし、そのような調整をすれば稼働しないというのは明白でしょう。新しい特殊スペックの可能性をつぶさないためにも、「いつも通り」に締めるのではなく、機械に合わせた調整を行うべきと言えます。これはすべての機械に対して言えますが、本機に対しては特にです。
また、ユーザー様にとっては、打ち出しを止めることで不利益になる場合があるという注意点があります。
本機は特図1優先消化となっており、特図1で時短を消化する間、ストックした特図2は消化しません。逆にいえば、特図1の保留がなくなった時点で特図2を消化し始めてしまうので、時短の回数が残っている状態で離席すると、ストックをためる機会を失ってしまいます。一応、大当りの開始時にゲート通過を用意することで、そのタイミングで離席することができるようになっていますが、上級者向けですしトラブルのもとになりそうなので推奨できないと思います。唯一安全に離席できるのは、特図2保留が貯まる前の時短中のみと言えるでしょう。演出面に関しても少々特殊です。
ストックタイム中はVループ(特図2保留)を貯めることが目的になっているので、普通であれば
「特図2の非電動役物開放に当選したか演出を行う」
↓
「当選していたことを告知して、特図2の非電動役物が開く」
という流れになるかと思います。
しかし、本機は特図2の非電動役物は演出なしで開き、特図2保留が貯まってしばらくしてから、液晶で告知するという演出を行っています。ですので、先に知りたい場合は中段の赤い非電動役物を凝視していれば分かるのですが、もし液晶で何もしていないからと離席しようとして、特図2の消化が始まってしまうと、ユーザー様にとっては不利益としか言えません。
特図2の保留が貯まるタイミングと、そこから告知するまでに離席するタイミングがないようになっているかは注意が必要でしょう。
ホール様でポップや冊子などで注意喚起されると親切でしょう。
~③版権について~
本機のモチーフは同名のゲーム作品です。「THE IDOLM@STER」という、2005年に稼働を開始したアーケードゲームから派生した作品の一つで、「ミリシタ」(ミリオンライブ シアターデイズの略)という愛称で呼ばれることが多いそうです。「THE IDOLM@STER」といえば、2012年にサミー様よりパチスロが登場していますが、本機のモチーフはパチスロとは基本的には異なります。同じキャラクターも出てくるようですが、搭載楽曲やメインで扱われているキャラクターは違いますのでパチスロの評価とは別で行うべきでしょう。もし自店の客層にパチスロが非常に人気であったとしても、参考にしない方がいいかもしれません。とはいえ、15年以上の歴史あるコンテンツの一角であることは事実ですので、若い世代への知名度は高いと言えそうです。キャラクターの詳細まで知らなくても「アイドルマスター」という名前は知っていて、興味を惹かれるという層は一定数いると思われますし、若い世代をターゲットにした特殊スペックですので、その点はマッチする可能性が高いのではないかと考えられます。スペックや期待値に対しての見極めもシビアな世代であると言えますので、上記したように特に右の調整には注意が必要でしょう。
~最後に~
さて、今回は「PフィーバーアイドルマスターG」について考察させていただきましたが、いかがだったでしょうか。以前からSANKYO様は非電動役物を用いたゲーム性を研究されていたようで、「アイドルマスター」という大型コンテンツに搭載してきたことで、一つの集大成と位置付けていると感じます。
ぱちんこにおいて、大当りをストックすることはあってもループ状態をストックできるというのは正真正銘業界初で、しかも出玉力も十分ということで非常に期待すべき機械だと思います。
コロナ禍も相まって「今まで通り」が通用しなくなってきている現状ですので、くれぐれも慎重に見極めて運用していくべきでしょう。それでは今回はここまでと致します。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。
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