導入レポ ~「Pパイレーツオブダイナマイトキング」編~

皆様こんにちは。玉男です。

今回は以前当サイトでもご紹介させていただきました、大一商会様の「Pパイレーツオブダイナマイトキング」が全国のホール様に導入されましたので、導入直後の状況について、実際に打った感想や全国平均のデータを基に下記の項目で考察していきたいと思います。

【過去記事】「Pパイレーツオブダイナマイトキング」~ソニックVチャージシステム~

①基本情報の振り返り
②初期稼働
③客層と客帯
④演出面の感想

~①基本情報の振り返り~

本機は12/7(月)に全国のホール様に導入されました。

導入台数は約4000台となっています。

前作の「CRダイナマイトキングin沖縄」(※以下、前作)からの変更点も含め考察していきたいと思います。

 

それではスペックのおさらいです。
(※詳細なフローや通常時の役物のシステムなどは以前の記事をご確認ください)

本機は低スタートの役物機です。

前作との大きな違いは、大当り確率が重くなった分クルーンへの入賞率が上がり、ユーザー様が抽選を受ける機会が増えたことと、RUSH突入率が100%ではなくなっている点です。

クルーンははずれ穴がふさがるギミックを搭載しており、目に見えて入賞率が上がる仕様となっている点は、他社機を見ても全例が少なく非常に面白いと思いました。

通常時に大当りすると38.7%でRUSHに突入します。残りの61.3%はまた通常に戻りますので、この突破率の低さがユーザー様にとって非常に厳しく受け止められている可能性があります。(後述します)

RUSH時は時短1回点+保留3個の合計4回転の間に、31%の10R大当りを引けばRUSHが再セットされ、4回連続で2Rを引いてしまうと終了してしまうという仕様です。

この平均の大当り回数から92%というプロモーションがされていましたが、2Rでは大当りに感じられる出玉は得られません。

実質31%の10R大当りを4回転以内に引くというSTのゲーム性の台と言えます。

~②初期稼働について~

初週の平日の稼働は30000台前半と、新台にしては非常に厳しいスタートとなりました。

もともと液晶非搭載&低スタートの役物機なので、好き嫌いが分かれるジャンルであると思います。

それを差し引いても低い値だと思いますので、役物好きユーザーにも魅力的に見えていないということだと思います。

役物機を好むユーザー様に対して、約1/60という重めの初当り確率と、31.8%という、これまた重い突入率が全くマッチしていないという印象です。

そもそも役物機は羽根物に代表されるように、「ここに入れば当り」というシンプルさと玉の動きに面白さを見出す人が好むタイプです。

本機はヘソ直下にクルーンがある為玉の動きが少なく、ふさいだはずれ穴も時間によって復活するため、

有効性を感じづらいタイミングも多く存在します。

また、大当り確率が(低スタート機の中では)非常に低いため、液晶のない本機では演出不足の感も否めません。

このような設計が、本来のターゲットに対しても訴求できなかった最も大きな原因で、その結果が低稼働スタートとなってしまったと考えられます。

~③客層と客帯について~

役物機はもともと、あまり客帯の良いタイプではありません。

ですので客帯の低さはある意味想定通りなのですが、②で述べたように、本来のターゲットである役物機好きのユーザー様も楽しみづらい設計のため、少台数導入の割に空き台が目立つ印象があります。

もともと連チャン性能も分かりづらいため、スペック面で躊躇されるというのもあるでしょう。

「役物機とはこういうもの」という想定に対して、【重い初当りと突入率】【それを超えた先にある連チャンの分かりづらさ】の2点が、スペック的に非常に高い理解度をユーザー様に求める結果になってしまったため、座りづらくなっていると感じます。

こうなってくると出玉感をはじめとした魅力を感じていただくには、遊技している間に体感していただく以外ありません。

クルーンの玉の滞在を増やし、ハズレをふさいで入賞しやすくなるという点だけでも伝達することが唯一できる稼働促進の手だてかと思います。

稼働に対して粗利は高い値を出せていますので、無理に稼働させようとせず、新台効果のあるうちに回収するのもやむなしとも思いますが…。

~④演出面の感想~

これまで、役物機でありながら重い初当りと低い突入率がマッチしていないと記述しましたが、演出面の盛り上げはもっとマッチしていないです。

まず通常時ですが、1/60の割に当落のリーチが長く、ここはデジパチ感を強く感じました。

加えて当落分岐後にタイヨーエレック様の「CRビッグドリーム」(※以下ビッグドリーム)を思い出す宝箱演出があります。

ビッグドリームでは宝箱演出を当落に使用しており「当り=確変」というフローでしたが、こちらはSPリーチの当落分岐の後(再抽選)に宝箱演出を行い、そこで成功するとようやくRUSHに突入します。

シンプルさを求められているであろう役物機のはずなのに、同じ見た目の演出をデジパチよりも長く、しかも当りの期待度が低くなる運用をしているのは、これもやはりミスマッチと言わざるを得ません。

また、連チャン中は1/1で大当りしますが、ユーザー様が求めているのは連チャンが継続する10Rの方でしょう。

それに対して、2Rでも毎回派手なレインボーと祝福演出を行う本機は、感情に寄り添えていないとしか言いようがありません。

そもそもスペックを理解している数少ないユーザー様に対しては、実質外れているのに祝福されているように見え、スペックを理解していないユーザー様にとっては、順調に当っていたはずなのに連チャンが終わっていた(しかも出玉をほとんど得られず)というのがリピートにいまのところ繋がりづらい状況です。

~最後に~

さて、今回の記事いかがだったでしょうか。

前作は結構打っていたんですが、そんな今回はあまり魅力を感じられませんでした。

ぱちんこは演出によるユーザー様の教育とリピートに繋がる良い体験や思い出の創出が、長期の稼働には必要不可欠です。

しっかりとユーザー心理に立った企画開発や機種選定が、今後の市場でさらに重要度を増していくでしょう。

それでは今回はここまでと致します。

 

次回もどうぞ宜しくお願い致します。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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