導入レポ~「Pとある魔術の禁書目録(インデックス)」編~

皆様こんにちは。玉男です。

今回は以前当サイトでもご紹介させていただきました、藤商事様の「P とある魔術の禁書目録」が全国のホール様に導入されましたので、導入直後の状況について、実際に打った感想やデータを基に下記の項目で考察していきたいと思います。

①基本情報の振り返り
②初期稼働
③客帯と客層
④ネット上の意見とホールの扱い
⑤演出面の感想

~①基本情報の振り返り~

本機は11/2(月)に全国のホール様に導入されました。

導入台数は約20000台と、新規版権の機種としては大規模な導入となりました。

遊技機としては新規ですが、アニメファンからの注目度が高く、期待の表れということかと思います。

過去記事:「Pとある魔術の禁書目録(インデックス)」~とあるシリーズ第1弾~

それではスペックのおさらいです。

説明不要の100%ST機のミドルスペックです。

特図2の性能や継続率も高く、一見して多くのユーザー様に魅力が伝わるスペックに仕上げられていると思います。

スペック、版権ともに前評判は抜群だったと言える本機ですが、導入一週間の動きがどうだったか、見ていきましょう。

 

~②初期稼働について~

先読み通信調べのデータを見てみると、平日に約40000発のアウトがあり、祝日だった11/3(火)においては4万半ばと、かなり好調に見えます。

一昔前であれば新台初週に40000前後と言うのは低く感じられるかもしれませんが、コロナ禍という事情を踏まえると妥当なのではないでしょうか。

特に注目したいのは、同じに日に導入された、平和様の「Pルパン三世 復活のマモー」(※以下、ルパン)との比較です。

11/3のデータではルパンが上回っていますが、誤差のレベルと言えるくらいです。

それ以外の平日において、ルパンより1割ほど高い値を出しています。

これには二つの理由が考えられます。

一つ目は遊タイムの性能です。

本機は800回転で遊タイムに移行しますが、これはミドルスペックで出来る最も浅いクラスです。

しかも遊タイム直前に当たっても100%RUSHに突入することもあり、ユーザー様が感じる損失は他の機種に比べ低くなっています。

他の機種で遊タイムを意識した時に、直前で当ってRUSH非突入になることを懸念されるユーザー様に対して、そうなる可能性がないのが遊技動機になりえている可能性があるということです。

ある意味救済としての遊タイムが正しく機能していると言えますね。

二つ目はこの後の項目で詳しく記載しますが、客層の違いです。

ルパンは遊技機としての実績があり、遊技者にファンが多い版権です。

また、今回はマモーをメインに推し出しているので、この点に魅力を感じるのはかなり高い年齢層の方ではないかと思われます。

客層が住み分けられているというのが、数字として安定してルパンと差が出ている理由だと思われます。

 

~③客層と客帯について~

②で記載したとおり、本機は平日の稼働においてルパンを上回っています。

遊タイムの性能が平日の夜稼働や、浅い回転数の稼働を促進していると予想しますが、それ以外の可能性があります。

それは、大学生やフリーターの存在です。

平日の昼間から遊技できる客層と言うのは限られており、メインは主婦・高齢者・大学生・フリーターなど、いわゆるサラリーマンではない方々です。

祝日はルパンが稼働で上回りましたが(僅差ですが)、平日の稼働でコンスタントに高い数値が出ているというのは、こういった平日昼ユーザーの方々が「とある>ルパン」と魅力を感じている証拠だと思います。

特に最近の大学生は、我々のころと違いアニメ好きを公言しても、オタクと馬鹿にされる風潮はなく、ネットの動画配信サイトも充実していることから、アニメに対して非常に感度が高い傾向があるようです。

そういった背景から、大学生やフリーターという平日昼に時間が取れる若年層が稼働に影響を与える割合が強くなっている機種だと言えます。

 

また、やはり版権によって興味をもたれた新規ユーザーの方もいるようです。

実際にホール様で、友人同士と思われる若いユーザー様が、教えながら打たれているのも見ましたし、

新規ユーザーの開拓に貢献している可能性は高いと感じました。

 

初期稼働が高かったのに2週目からガクッと下がるという機種は、私の記憶では直近10年で2機種しかありません。

おそらく本機も、少なく見積もって3~4週目までは維持~微減で推移すると思われますので、この期間にどれだけのユーザー様に楽しんでいただくかが、今後の稼働に大きな影響を与えます。

特に新規ユーザー様に関しては「ぱちんこって面白い」と感じて頂くまたとない好機であると言えます。

 

しっかりと機種の魅力を体感していただけるような取り組みが必要となりそうです。

 

~④ネット上の意見とホールの扱い~

ここまではデータから考察してきましたが、③で述べたとおり、本機の特徴として若年層の存在は重要です。

また、昨今では年齢層問わず、自由にネットで自分の意見を発信できる場があり、ネットの意見は無視できない生の声として捉えるべきでしょう。

それを踏まえて改めてスペックを、開発目線で考察してみたいと思います。

 

まず、本機はボーダーが約17~18回転(遊タイムまでの回転数によって変化します)で、他の市場の機種よりも低い値となっています。

この低いボーダーを実現するために、ヘソ賞球を1個とすることでベースを下げています。

これにより、ヘソの入賞率が他のボーダーが高い機種と同じでも、千円当たりのスタート回転数が下がるため、ホール様が利益を出せるように設計されています。

「回らない」という意見もちらほら見られますが、もしこれが「ヘソに入賞しない釘になっている」ということならヘソ賞球が1になっている意味がありません。

ヘソの賞球を1にする理由は、例えばボーダー20前後でヘソ賞球が4の機種と、ヘソの入賞率を同じにしてもベースを低く保つためです。

つまり画面が停止している時間などで、ユーザー様が「回っていない」と感じるのは、間違った運用がされていると言えます。

 

きちんと回転数を計測されるユーザー様であれば、機種固有のボーダーについても理解されていると思いますので、超えているか超えていないかを判断基準にされるでしょう。

その上で「回らない」という意見が出ているのだとすれば、ヘソの調整が間違った運用になっていないか注意されたほうがいいと思われます。

 

スペックが甘いためあまり利益が出ていない点はネックですが、利益を確保したい場合はその他の一般入賞口や右のベースなどで対応すべきでしょう。

とはいえ、本機はロングSTなので右のベースも遊技感に大きく影響を与えます。

幸い同時導入機の中では稼働が高く、実際にホール様何店舗かをみると空き台待ちも多い印象ですので、緩やかに機械代を回収する方がベターと言えそうです。

また、本機は遊タイムの発動G数が800回転と低いので、ラムクリアなどをこまめに行うなどの対応も効果が高そうです。

※ホールの評判は下がりますのでオススメはしません

 

~⑤演出面の感想~

最後に実際に打ってみた感想で、演出面について考察してみます。

まずは通常時について。

私が打った台は16~17回/千円だったので、まぁ普通だと思うのですが、弱めのSPや疑似連はけっこう頻繁に来る印象でした。

ただこの賑やかし演出が全力で賑やかなため、バランスについてはネット上で、いい意味でも悪い意味でも話題になっているようです(笑)

他の機種と比較すると、同社の「緋弾のアリア」シリーズが近い印象です。

特に「CR緋弾のアリアAA」を雰囲気やテンションが似ていると感じました。

何といいますか、機種固有の激熱演出に関してはしっかり信頼度を担保しているような印象ですがどの機種にも当てはまるような演出(金色系の演出や激熱テロップ)の信頼度が低めに設計されているように感じました。

上記の様な、どの機種にも搭載されている様な演出はユーザーがある程度信頼度の基準を持ってしまっています。

その基準に達していないと判断されると批判の対象になってしまうようです。

 

次にRUSHですが、本機は4つのモードから選べるSTとなっています。

どのモードを選択しても、STの前半30回転は高速消化で即告知を行う「LIMIT BREAK CHANCE」を行います。

これも「CR緋弾のアリア」「CR緋弾のアリア2」で搭載されていた「LIGHTNING BULLET CHANCE」と同じです。

爽快感やスピード感、一発告知による脳汁ポイントなど、連チャンの感動体験を作り出す非常に重要な要素であると思います。

選べるSTは選択したキャラにより告知方法が異なり、モチーフに準拠した(多分)遊びになっているようです。

この点に関しても、奇をてらったことはせず、新規ユーザー様(モチーフファン)への訴求を優先しているのでしょう

 

演出の賑やかしレベルについては通常時同様賛否両論あるようです。

どうやら金色系の演出がST中にハズレてしまうようですね。さすがにダメでしょう(笑)

 

最後に右の大きな魔方陣ボタンについてですが、かなり強力にバイブします。

しかし、揺れの方向が縦方向ではなく横方向なので、感じるバイブほど島全体の他の台に影響を与えていない点は良いと思いました。

触っている人は強力に感じられますが、他の人の遊技を邪魔しない手法として、ちょうどいいバランスです。

 

~最後に~

さて、今回の記事いかがだったでしょうか。

版権の集客力に関しては下馬評通りといった印象ですが、想定より粗利が取れていないにも関わらずユーザー様から厳しいご意見が出ているということで、難しい機種であると言えます。

スペックの設計に関しては、ホール様に汲んでいただく部分が大きくなってしまう現状ですが、機種それぞれの特徴を理解した運用ができれば、強力な戦力になってくれる機種であると思います。

それでは今回はここまでと致します。

 

次回もどうぞ宜しくお願い致します。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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