導入レポ ~「P大海物語4スペシャル」編~
皆様こんにちは。玉男です。
今回は以前当サイトでもご紹介させていただきました、SANYO様の「P大海物語4SP」(※以下、SP)が全国のホール様に導入されましたので、
導入直後の状況について、実際に打った感想や全国平均のデータを基に下記の項目で考察していきたいと思います。
【過去記事】「P 大海物語4スペシャル」~海物語初の遊タイム搭載機~
①基本情報の振り返り
②初期稼働
③客層と客帯
~①基本情報の振り返り~
本機は12/7(月)に全国のホール様に導入されました。
導入台数は約5万台以上と、多台数の導入となりました。
本機はいわゆるサブスペック機です。より具体的にいえば同社の「CR大海物語4」(※以下、大海4)が撤去された時のための代替機です。大海4は2021年の11月末に撤去予定です。
来年の今頃にはそれに代わる「海物語シリーズ」の機種をそろえなければなりませんが、遊タイムや時短図柄、1500発上限など、海物語のメインユーザーである高齢者層にはP機の特性を認知されていない可能性があります。
そのため、早い段階から認知を広げ、大海4撤去時に導入されるP機の海物語シリーズにつなげたい狙いがあるのだと推測します。
話がそれてしまいました。詳しくは後述します。
それではスペックのおさらいです。
安定安心のいつもの海物語のフローです。スペックもミドルタイプのALL1500発払い出しで、大海4とほぼ同じ感覚で遊技できるでしょう。16R(1890発)がなくなった分、突然確変もなくなってよりマイルドになったと言えます。
大きな変更点は時短中の通常当りでつく時短が120回になっていることと遊タイムが搭載されている点です。
今までの海シリーズの決まり事であった時短100回を120回にする事で、CR機からP機への違いを匂わせる目的でしょう。
遊タイムに関しては特段、アピールしている感じはありません。これは意図的なようです。あくまで今までの海シリーズとの遊技感の差異を少なくする目的で、出玉を割いたりはしていないようです。
遊タイムは時短350回と、これまで搭載されている遊タイムの中でも非常に弱いものとなっています。これは出玉バランス以外にも、いわゆるハイエナ行為へのけん制であると思います。
潜伏確変もそうですが、高齢者のユーザー様が安心して遊技できるように、ある程度どこでも打てるしどこでもやめられるような設計になっていると言えます。
少し話がそれますが、「最後通牒ゲーム」という実験があります。かいつまんで説明すると「自分が損をすることで相手が得することを妨害できるなら妨害する」という
行為のことで、人間は他人が得をするのを嫌うという社会実験の一つです。
遊タイムに近づいて到達できずにやめなければならない状況を想像した時、知らない人が続きを打って遊タイムに突入して勝った場合を想像してしまい、そうなるくらいなら打たないという選択をとる可能性があります。
そのような懸念を排除しつつ、でも遊タイムの存在は知ってほしいという本機の狙いとして350回転と言う弱い遊タイムが生まれたのだと考えられます。
(そもそも期待値が低すぎるのであまりハイエナもよっては来ないと思いますが…)
実際にお邪魔したホール様でも500~600回転程度で開放されている台がいくつかありました。他の機種ではまず見ない光景ですが、客層に合った上手な遊タイムの搭載方法なのかもしれません。
~②初期稼働について~
初日の稼働は28000と新台としては非常に低い値となりました。
ただしこれは一般的な新台として見た場合であり、本機のように代替目的の機種であれば入れ替え前の台の稼働を引き継げていれば、概ね問題ないとも言えます。
大海4からSPに入れ替えたホール様も多いと思いますが、SPが大海4ユーザーの受け皿になれているのであれば本機の導入としては成功と言えるのではないでしょうか。
大海4ユーザーになるべく早く新しいSPに親しんでいただけるように、また、大海4に戻らないように入れ替えるのであれば、一気に全台入れ替えるか別の機種をあてがうなどして、大海4との直接の比較を避けるのがベターと言えるでしょう。
しかし今回の大海4SPの導入により、現存する海シリーズのコーナー(甘海・ライト・ミドル)の稼働を押し上げる効果は見られませんでした。
店全体をコロナ前の水準の入客数に戻す、また今の水準を維持するには、方針を決めての大胆な入替戦略を考えることも必要になるかもしれません。
~③客層と客帯について~
コロナ禍以降、海物語のメインユーザーと思われる高齢者層の稼働戻りは厳しいものがあります。
しかし、新台初日のホール様では、満台にはなっていませんでしたが、地元の高齢者の方でにぎわっていたように見受けられました。
海物語のナンバリングの新台と言うこともあり、コロナ禍で自粛されていたユーザー様を呼び戻すまたとないきっかけになりえるとは思います。
客帯に関しても、遊タイムの存在が既に認知されているのか長時間遊技されている方もいらっしゃるようです。
奥様方特有の、きんちゃく袋やハンカチでの台確保も多く、「いつもの海の島に戻りつつある」という印象でした。
新台ではありますが、外見から見分ける方法は右下のサムと「SP」という文字だけですので、ホール様がしっかり新しい海物語であることをアピールする必要があるかもしれません。
しっかりアピールした上で、休眠状態の中年~高齢層を呼び戻すことが、今後の海物語シリーズに対しても重要なタイミングと言えるでしょう。
(※もちろん万全のコロナ対策をしていることが前提ですが)
~最後に~
さて、今回の記事いかがだったでしょうか。
CR機撤去に向けた動きとして、今後どのように高齢層のユーザー様の遊技スタイルが変化していくかには注目しなければなりません。
また、いまだにコロナの状況も悪いままですが、このまま中~高齢層のユーザー様が離れていくのを食い止めるために、本機のリリースを最大限に活かす取り組みが求められていると思います。
それでは今回はここまでと致します。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。
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