導入レポ ~「Pぱちんこ冬のソナタ FOREVER」編~
皆様こんにちは。玉男です。
今回は以前当サイトでもご紹介させていただきました、京楽様の「Pぱちんこ冬のソナタ FOREVER」(※以下、冬ソナ)が全国のホール様に導入されましたので、導入直後の状況について考察していきたいと思います。
【過去記事】「Pぱちんこ冬のソナタ FOREVER」~美麗裸眼3D&王道ミドルスペック~
まずは基本情報を振り返ります。
本機は12/21(月)に全国のホール様に導入されました。
導入台数は約15000台と、人気版権のシリーズ機種として多くの導入となりました。
今回は同時に色違いの白枠も販売されておりましたが、そちらは案件が多くパンクしたとの情報もあり、これまでのシリーズ機が築いてきた良好な稼働実績が、信頼に繋がっていると言えるでしょう。
そんな期待を背負った本機ですが、下記の項目で初日と今後の稼働について考察していきます。
①スペック
②初日の稼働
③客帯と客層
④演出
~①スペックについて~
それではまずはスペックのおさらいです。詳細は下記になります。
日ごろからぱちんこを遊技される方にとっては、説明不要ともいえる超王道の確変ループタイプです。
演出上のモードも「真・恋愛モード(恋モード・愛モードから選択)」・「チャンスタイム」「緊急入院モード(2R確変後専用モード)」と分かりやすく、多くのユーザー様が迷うことなく遊技できるスペックと言えるでしょう。
最近は複雑なゲーム性や速度に特化した機種が多く、稼働実績も良好な台が目立ちますが、多くのコアファンがいることがシリーズによって実証されている本機は、奇をてらわず、ゲーム性を変えないという決断をしたようです。
こうした波の穏やかなスペック設計は、メーカーの人間としては射幸性が足りないのではないかと不安になり、正直開発しづらいスペックと言えます。
今後も特殊なスペックや波の荒いスペックが多くリリースされるなか、「王道スペック」は貴重になるでしょう。
前作から変更点として、16Rは実現できなくなりましたので、最大Rは10Rとなっています。
払い出しの出玉自体はそれほど減ってはいないのですが、6R分大当りの消化時間が減っていますので、ストーリーを見せる本シリーズには影響がありそうです。
この点をどう補っているかは、ファンの方にとっての評価ポイントの一つになるかと思いました。
また、時短についても変更点があります。
本機から大当り終了後の時短に関して、電サポ回数の制限がなくなったため、200回or300回or949回という時短振り分けが存在します。
それぞれ4%、1%、1%という少ない配分ですが、普通の振り分けと少し違う意味があります。
例えば、ヘソの大当りの1%でRUSHに直行する機種がありますが、それは全大当りの中の1%なので引ける気がしないですし、引いたという話も身近ではあまり聞くことがないでしょう。
しかし、「確変ループタイプの通常大当り」というのは、大当りを引けば最終的に必ず1回は付いてくる事になります。
同じ1%でも、100%中の1%と40%中の1%では、体感的な割合は2.5倍となります。
100回以上の時短に移行するときは、時短100回転目でボタンジャッジが発生しますが、ここでの演出成功率は15%になります。
(40%の通常大当りを100としたとき、時短100回以上の振り分けを引いてくる確率)
ですのでスペック表の数字以上に、100回以上の時短を体感されるユーザー様がいるというのは、本機の特徴ともいえ、新しい遊技感や叩きどころを提供できる要素になると思われます。
~②初日の稼働について~
初日の稼働は約32000(先読み通信調べ)と、人気版権のシリーズ機としては予想に反した結果になりました。
本機の版権的なメインターゲットは40~60代の女性です。
初代の導入時にも多くの女性ファンの方が稼働を支えたというお話も聞きましたし、一日中遊技される方も多い印象です。ハンカチでの台キープも目立ちました(笑)
しかしコロナ禍で、そういった中高年のユーザー様の戻りが少ないというのが稼働に表れていると考えられます。
逆にいえばまだ想定されているメインターゲットが稼働に貢献していないにも拘らず、初日に30000以上を出せているのは台そのもののクオリティが高いということかもしれません。
版権ファンがメインの客層であることは確かですが、これまで続いてきたシリーズを通して、ぱちんこでしか冬のソナタと言う作品を知らないが好きという方も多くいるようです。
年末年始の自粛ムードが高まる中、本機のメインターゲットは中高年女性にも、孫や子どもの帰省がなくなった年末年始は時間に余裕ができてしまう方も多くいるのではないでしょうか。
そういった方々がホール様に足を運ばれた際に、新しくなったヨン様に初めて触れ、遊技人口も回復に向かっていくのではないかと期待しています。
遊技機の稼働において、上昇するというのは非常にインパクトがありますので、もし実現すれば業界全体の活性化に繋がる可能性はあると言えます。
~③客帯と客層について~
私がお邪魔したホール様では、メインターゲットとなる中高年の女性はあまり見られませんでした。
(ホール様の地域性なのか、お邪魔したホール様のメイン客層は新台好きの方が多かった印象)
シリーズ機として演出の変化を少なくしているがために、メインターゲット層以外の方達には最新の他機種と比較して若干古臭さが感じられたのか、入れ替わりも多く、それほど待つことなく遊技できるといった状況でした。
他店の状況を先読み通信スタッフや関係者に確認すると、「客層の比率は中高年の女性が高いが、常に満台という状況ではない」とのことでしたので、メインターゲット層が戻りきっていないが故の現象だったとも思われます。
年末年始は書き入れ時と言うのが一般的ですが、本機だけは、コロナ禍で減少したユーザー様を回復させる意味でも粗利重視ではなく丁寧に運用することが望ましいと考えます。
~④演出について~
これまでのシリーズ機と構成を大きく変えず、法則などもしっかり継承しているようです。
ストック演出や先読みゾーン演出は追加されていますが、あくまでおまけと言った感じで、やはりこれまでのファンを大切にしているというのが伝わってくる演出構成だと思います。
本機は演出カスタムを搭載していますが、これまでの京楽様の機種で既におなじみのものが多く、目新しさはありません。
本機が演出面で推しているのは、「大容量液晶ROM」と「GP3チップ」、「3D液晶」の3つです。
3D液晶はもはや遊技機としてはおなじみになっていますので、「ROM容量」と「GP3チップ」についてご説明します。
※導入前の機種紹介記事でも触れていますので、そちらも併せてご覧ください。
内規の変更に伴い、これまで制限されていた液晶ROMの容量の上限が緩和されました。
要するに、より高解像度できれいな映像を、よりたくさん搭載することが可能になったということです。
映画などでよくある、デジタルリマスター版だと思っていただければいいでしょう。
これだけ聞くと「じゃあやればいいじゃん」となりますが、考慮しなければならない点が二つあります。
一つ目は費用対効果です。
これまでのROM容量でも十分な演出量と、ある程度の画質が実現できていたのに、わざわざROMを変えてまで映像をきれいにすることにどれだけメリットがあるのか?というメーカーの都合です。
この点に関して本機は、むしろ版権の世界観や映像を伝えることで感動を呼び起こし、版権ファンの稼働につなげるという目的と実績があるので、映像をきれいにすることが大きなメリットを生むと判断されたのでしょうし、本機の持つ強みに他ならないと思います。
前作までも画質が悪いと感じることはなかったのに、そこからすべての映像の解像度が2倍近くになっているということなので京楽様がどれほど版権の映像を重要視されているかが伝わってきます。
二つ目は処理速度の問題です。
高解像度の映像をぱちんこの演出で使用する場合、演出同士が複合することで処理負荷がかかり、液晶の描画が遅延や、最悪の場合負荷に耐えられずブラックアウト→再起動などが発生します。
こうした機械トラブルは、ユーザー様の不信感を生むため絶対に回避するのですが、本機はより処理能力の高いGP3というチップを使用してこれを解決しているようです。
では他機種でも同様に高解像度の映像が搭載できるかと言うと、理論上可能ですが、色々な理由で現実的にはやらないと考えられます。
本機は「シリーズの良さを変えない」という大義名分の下、演出数を抑え、それぞれの演出の複合も少なくすることで高画質な液晶映像と両立できているのだと思います。
映像の美しさや版権への没入感が求められ、それを少ない演出数で実現できるベースが既にできている本機ならではの強みですので、照明や装飾で阻害しないようなレイアウトなどが重要になってくると思われます。
~最後に~
さて、今回の記事いかがだったでしょうか。
シリーズとしては5作目ですが、しっかりと変わらない良さを残し続けられていると思います。
コロナ禍という情勢の中でリリースされてしまったので、今後の稼働の見極めも非常に難しいと思いますが、コロナを逆手に取った営業戦略も、ある意味新しい生活様式として必要なのかもしれません。
マイルドな台も選択肢にあったほうがユーザーとしてもありがたいので、年末年始にマダムが稼働させてくれることを祈るばかりです(笑)
それでは今回はここまでと致します。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。
※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。