導入レポ ~「Pルパン三世 2000カラットの涙」編~
皆様こんにちは。玉男です。
今回は先日全国導入された、平和様の「Pルパン三世 2000カラットの涙」(※以下、ルパン)について導入直後の状況を全国データから下記の項目で考察していきたいと思います。
①基本情報
②初期稼働と粗利
③客帯と客層
④演出
※掲載しておりますデータや数値は全て先読み通信調べとなります。ご了承ください。
~①基本情報~
ルパンは2/7(月)に全国のホール様に導入されました。
導入台数は約18000台となっております。
平和様の誇るキラーコンテンツであり、版権の認知度も非常に高い人気シリーズ機です。
「Pルパン三世 復活のマモー」(※以下、前作)はスペックの複雑性も影響し、非常に残念な稼働結果を残してしまいましたが、知名度や遊技機としての期待度は今なお強いコンテンツであると思います。
今回はスペックもシンプルでありながら爆発力のあるものに仕上がっていますし、演出や打感も非常に受け取りやすいものとなっています。
それではスペックです。
1種2種混合機ですがV確変のST機のようなミドルスペックです。
通常時は初当りをすると50%で1500発を獲得した後、実質次回大当りまでの時短に移行します。
特図2の大当りはすべて1500発なので、実質的には50%で3000発を獲得したあと、継続率約81%のRUSHに移行します。
RUSH中もALL1500×81%という現行最高の出玉性能を持っていますので、RUSH突入時の期待値は非常に高い機種と言えます。
反対にRUSH非突入の50%を引いてしまうと450発獲得のみで時短もないので、非常に波の荒い正にDEAD or ARIVEなスペックとなっています。
初回突入時の3000発と、ST風のゲーム性ということで、現在非常に人気の高い大都技研様の「PRe:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりVer」(※以下、鬼がかりVer)と比較してみたいと思います。
低確率はどちらも同じです。
突入率もそれほど大きな差はないですが「半分」か「半分以上」かは、ユーザー様視点でみると大きい可能性はあります。
それ以上に非突入時の出玉が450発と1500発という点が非常に大きな差と言えるでしょう。
逆に突入後は継続率が高い点や出玉がすべて10Rという点などにより、RUSH全体の平均獲得出玉はルパンの方が大きくなっており、鬼がかりVerと比較しても荒い機種というのが分かります。
市場には他にも1500発×81%の機種が多くありますが、RUSHスタート時から必ず3000発を持っているというのは大きな差別化要素といえます。
鬼がかりVerの高稼働の要因の一つとなっていることも疑いようはないでしょうし、この点は高稼働に対して非常に強い武器と言えるでしょう。
このように、市場で人気かつ知名度が高く安心感のある「ALL1500発×81%」という性能と、鬼がかりVerの強みである「突入時の3000発」をあわせもっているというのは現市場のニーズを的確につくことができていると言えるでしょう。
代わりに非突入時の出玉が削られていますが、同社の「Pバキ」などのような例もあります。
重要なのは、ユーザー様が不満に感じられる点があった場合、その代わりに得られるものに納得できることです。
突入時出玉とRUSH性能、へそ賞球を見ればユーザー様の納得を得られると思いますので、それほど大きなマイナス要因にはならないと考えています。
~②初期稼働と粗利について~
初日の稼働は約43200となりました。
P機のミドルスペックの中では上々の滑り出しといえます。
右打ち中の滞在時間が特別長かったり、閉店間際でも取り切れるほど出玉速度が高いという機械ではないので、単純に多くのユーザー様が魅力を感じて通常時を回してくれているということだと思います。
初日の粗利は約9700円とこちらはやや甘めの値が出ているようです。
甘いといっても先日導入された「P真・花の慶次3」や「Pとある科学の超電磁砲」ほどではないので、適切なボーダーに対しての運用がなされていると言えるでしょう。
この点は、ボーダーを下げすぎないように初回出玉を落としたことが正解だったということだと思います。
遊技機はユーザー様に遊技していただくことでホール様に利益をもたらすものですので、適度に回せて大当り(RUSH)まで粘りたくなる、かつ利益も取れるというルパンのスペック設計は、非常によいバランスが取れていると思います。
~③客層と客帯について~
客層については中高年の男性が多い印象ですが、スペックの魅力からか若年層の男性も同じくらい遊技されています。
版権的にも知らない人はいないですし、いわゆる萌え台のように、スペックのために打ちたいのに演出が恥ずかしくて打てないという心配もありません。
老若男女問わず、多くのユーザー様に版権への親和性があるというのは非常に強いです。
客帯については若干低めですがそれほど懸念する必要はないと考えます。
元々射幸性の高い機械ですので粘るのが難しいですし、ユーザー様の投資金額にも限界があります。
まったりと時間を潰すというより、伸るか反るかを求めるユーザー様にとってのニーズを満たす動きをした結果が客帯の低さに表れているのだと思います。
これはこれで機種の特長がきちんと市場で発揮されているということだと思います。
~④演出について~
ぱちんこのルパンシリーズといえば「CRルパン三世 消されたルパン」のメガヒット以降、賑やかで派手な演出というイメージが強いかと思います。
遊技機はエンターテイメントですので、非日常の刺激を求めるユーザー様に提供するものとしては正解かもしれませんが、最近はシンプルでここぞというときに盛り上がる展開を求めるユーザー様が多いと感じます。
今回のルパンはこれまでの賑やか路線をかなり洗練し、期待できる時に高品質の演出で盛り上げるという現在のトレンドに乗った演出構成やバランスになっていると感じました。
映像や音楽はこれまで通り高品質でスタイリッシュなものに仕上がっていますが、ハズレでの乱発を極力抑え、しっかりとぱちんこの演出としての価値を高められています。
RUSH中も高継続かつ当たりやすい高確率ということで、サクサク消化していく中にもしっかりと版権を活かしたかっこよさを感じられると思います。
版権やスペックのみではなく、演出の盛り上がりでも一歩抜きんでている印象がありますので、
モチーフファンの方への訴求力は高いでしょう。
多分ですが小林清志氏の次元が見られる最後の映像作品でもあると思います。
是非とも実機で、特に次元の神髄演出をご覧いただきたいと思います。鳥肌が立ちました…
~最後に~
さて、今回の記事いかがだったでしょうか。
前作は失礼ながら失敗してしまったルパンシリーズですが、その反省をきちんとフィードバックした演出とスペックの魅力についてお伝えできていれば幸いです。
そろそろ各社のメインタイトルは顔を揃えたと思います。
スペックが似通った中で選ばれるのは、ぱちんことしての気持ちよさや完成度の高いものだと思います。
今作のルパンの演出面の完成度は、スペック競争から抜け出す大きな武器だと思いますので、スペックだけでなくその点にも注目して稼働を見守っていただければと思います。
それでは今回はここまでと致します。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。
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