ぱちんこメーカー現役開発者が初打ちレポ~「PF.戦記絶唱シンフォギア2」編~
皆様、こんにちは玉男です。
SANKYO様より「Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2」が4/20に導入されました。
初代シンフォギア(以後初代)は2017年7月に登場し、稼働貢献週50週以上、最大設置台数が約45000台と大ヒットを記録致しました。そんな大ヒット機種の後継機について開発者目線から考察していきます。
前回までの記事は規則に関する説明や予測がメインでしたが 今回は開発目線で諸々考察(うんちく)いきます。※完全に個人的主観になります。
■なぜ初代は大ヒットしたか!?
ほとんどのヒット機種は何か一つ突出したウリがある場合が多いですが、初代の場合は、いいところが沢山散りばめられている印象です。
十人に初代の良いところを聞けば10通りの良い答えが返ってくるイメージです。
今でこそシンフォギアは強モチーフと認識されていますが当時は違います。
まず2016年8月に「パチスロ戦姫絶唱シンフォギア」が販売されました。
設置台数は約7000台、稼働貢献週は4週と目立った存在ではありませんでした。
その約1年後に販売された初代も初期台数は約10000台程でした。
当時のSANKYO様からしたら決して多い台数では無いことからホームランを狙った機種では無いと予測致しました。
~玉男が選ぶ初代のいいところ♡~ 整理整頓
- スペック(ライトミドル)
- スペック(高継続)
- ゲーム性(最終決戦_自力突破)
- モチーフ(キャラかわいい)
- モチーフ(曲が良い)
- レバブル(シンフォギアで市民権を得た)
- 絶唱演出(絶秒な信頼度と占有率と派手な映像)
- 手紙保留(高い占有率で出現しただけでドキドキ)
- 歌ってはダメフリーズ(タイマー演出の進化系)
- Vストック(スロットのストックの様な高揚感)
- おまけの玄人向けの遊び方
★アルティメットクリス打法
最終決戦の特2の1回転目のチャージタイムであえて保留を貯めない。
対決演出が始まった後保留を貯めると、以後の保留のキャラがすべてクリスになる。
信頼度示唆が無いため、最後までドキドキできる裏技。
★流れ星信頼度変化打法
STの最終回転が始まる時の保留数で流れ星演出の信頼度が変わる。
最終変動の演出は変動開始時に溜まっている保留で大当りがあるかを報知するシステムのため保留を最終変動開始後に貯めると、確率的に流れ星での復活当りでの報知が多くなる。
(編集部注)上記打法は最終決戦の演出を楽しむものでベースや抽せん等に影響はございませんが、やり方を誤ると予定していた保留が貯まらない等の「損」をする可能性があります。“玄人”向けの楽しみ方ですのでくれぐれもご注意ください。先読み通信では一切責任を負いません。
■初代のヒットを受けて後継機はどうしたらいいのか?
戦略は大きく分けて二つ、前作継承か大幅変更かの二択です。
両方一長一短ありますが、圧倒的に前者が多いです。
ユーザーに認められた物を敢えて変える必要はないという考えです。
メリットとしてはユーザーの安心感です。
まったく新しい物を理解したり、覚えるのは大変です。それはどのシリーズ物にも当てはまります。
「こうなればいいんでしょ!!」「知ってる知ってる!!」は遊技するうえで大事なファクターです。年配の方ほどより顕著にでる特徴です。海物語やジャグラーがいい例ですね。
デメリットとしては似たような遊技感になり、飽きが早くなります。
飽きを払拭する為にメインの遊びは変えずにボリュームを増やすというのが一般的です。
言い換えると「継承と進化」です。この業界では非常によく聞くワードです。
最も確率の高い王道の戦略であるという事です。
この戦略が使えるのはシリーズ物の強モチーフだけですのでこの戦略を使うのは当たり前の事なのです。
また前項の、初代のヒットしたポイントが絞り切れなかった事もこの戦略を選ぶ要因になったと考えます。
■基本情報とスペック比較
■試打評価と稼働予測 ~ パチンコ開発者目線 ~
【完成度】
- 前作の良い部分は残し、不評な部分は改善する正当進化を遂げており、演出の派手さが強化されています。特に演出のボリュームは相当数となっております。初代の演出はほぼすべて継承されており、しかもただ継承するのではなく、様々な要素・パターンが加わり、いっそう遊技感が向上しております。追加要素も豊富で新演出は勿論、新曲、新規アニメ作画、新デバイスと盛沢山となっております。
- 少し余談ですが、実は以前までぱちんこの液晶データには64Gb(ギガビット)までという規則が存在していました。64Gb(ギガビット)は置き換えると8GB(ギガバイト)となります。ブルーレイディスク1枚が25GB(ギガバイト)ですので、どれだけ少ない容量かご理解頂けると思います。その少ない容量にぱちんこの映像データが収まるわけはありませんので、ガンガン圧縮をかけるわけです。そうすると画質が劣化し映像品質は下がる一方です。初代が販売された時期はこの規則が撤廃される前でした。しかし今は上限が撤廃されております。という事は、シンフォギア2は初代よりはるかに多い映像データが高画質で搭載されているわけです。勿論シンフォギア2に限った話ではないですが、現状いまだに64Gbで開発しているメーカーが多く存在する中、シンフォギア2は明らかに大容量データを積んでおり、モチーフファンも満足すること間違いありません。
- スペックに関しては次回確定図柄の搭載も昨今の1種2種ならば欲しい性能であり、一番弱い図柄でも79%(ほぼ前作同様)の継続率を担保してきたあたりは弱点を残さないという強い意志が感じられます。
前作ファンを満足させるには十分な出来であり、高稼働はほぼ間違いないと思われます。
【ライバル機種からの影響】
最も強いライバルの仮面ライダーはコロナの影響で同時導入とはなりませんでしたが、確率帯が異なることから、そもそもユーザーの取り合いにはならないため、影響があるとすれば同確率帯の戦国乙女が筆頭になりそうですね。戦国乙女は遊タイムによるお得感が加わっており、甘い設計であるため、カネへの嗅覚が鋭いユーザー層が戦国乙女に傾くことは十分考えられますが、演出を含めた完成度で本機種を超える可能性は低いと予想します。
また、私の試算では等価ボーダーは約19.5になります。この数値は一見普通に感じますが、遊タイム搭載機のボーダーが軒並み甘いため、ユーザーの体感としてはかなりの差になると予想しています。これまで同様に回せるという部分も稼働面で有利に働くと思われます。
■導入後の実稼働
先読み調べによりますと、全機種の平均稼働は7300程度となっています。コロナの影響ですが、今までに類を見ない低い数値となっております。
そんな中シンフォギア2の稼働は33000ぐらいです。
コロナ問題で外出自粛要請が出ている中、ホールに足を運んでいるのは若年層が大半です。シンフォギア2のターゲットも若年層と合致しているので稼働への影響が少ないと思います。完成度の高さに加え、コロナの影響による導入日のズレが全国的に広がる結果、新台効果の持続期間は長くなると考えられるため、中期以上の貢献稼働はほぼ確約されていると言っても過言ではないと思います。
ちなみに右打ち中の「愛ポケット」の存在や時短回数最大99回など、そもそもがOUT効率の良い設計となっていることも高稼働の要因の一つとなっています。
~あとがき~
シンフォギア2の考察いかがでしたでしょうか。今回はかなり開発に寄った記事となってしまいました。というか初代をかなり打ち込んでいたのでついついテンションが上がってしまいました。ユーザー様もホール様も開発がどういった視点で開発しているかを少しでも知って頂ければ、また何か新たな視点や楽しみ方が生まれるかもしれません。
それでは今回はここまでと致します。次回もどうぞよろしくお願い致します。
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