導入レポ ~「P真・牙狼」編~
皆様こんにちは。玉男です。
今回は以前当サイトでもご紹介させていただきました、サンセイR&D様の「P真・牙狼」が全国のホール様に導入されましたので、導入直後の状況について考察していきたいと思います。
記事作成にあたり少し遊技しましたが、まだまだ打ち込みが足りませんので、統計データ(先読み通信調べ)やその他の導入機種の動向をもとに記載していきたいと思います。
まずは基本情報を振り返ります。
本機は10/5(月)に全国のホール様に導入されました。
導入台数は約18000台と、過去の同シリーズ機の中では少なめの台数となっておりますが、それでも他の機種と比較してホール様のメインを期待される台数での導入となったと言っていいでしょう。
導入直後の平均稼働が約11000に対し本機は約40000となっております。
直近の新台の中ではまずまずの出だしといったところでしょうか。
座った第一印象は、液晶近っ!!でしたw 近すぎて目が悪くなりそうですw
前作継承のギガゴーストビジョンは相変わらず素晴らしい出来栄えでした。
遊技機の枠を超えたエンターテイメントと感じます。
同じ開発者として素直に尊敬できるレベルですね。
ゲームフローや打感は・・・・まぁいつも通りですねw
過去記事でも書きましたが、ビッグタイトルの続編は無理に新規性を入れずにおなじみの演出でファンを安心させるのが王道ですからね。
(過去記事はこちら)
~スペックについて~
前作、「P牙狼 冴島鋼牙」(※以下、冴島)の失敗(あえて失敗と書きます。動画の件もありますし…)を受けて、右打ち中の出玉量への全振りをやめて出玉速度をなるべく高めつつ、連チャンを体感しやすい設計にシフトしています。
突入率も確変割合で50%を確保し、冴島よりも前のV-ST機の牙狼シリーズに近付けています。
遊タイムも搭載されており、他のミドルスペックよりも比較的浅く突入する点も特長です。
遊タイム発動回転数は、低確率の分母の2.5倍以上3倍以下と定められています。
ミドルスペックであれば800回転~959回転の範囲となりますが、ギリギリまで攻めたいのとキリがよいという理由で950回転とする場合が多いと思われます。
本機は他の機種より50回転少ないゲーム数で遊タイムに突入する性能となっており、ミドルスペックの中では意識しやすいのではないでしょうか。
また、本機には時短図柄による突然時短も搭載されております。
残保留でのみ抽選されており、これに当選すれば合計で2100回の時短が付きます。
(詳細は過去の記事をご覧ください)
これはおそらく保通協の試験対策でしょうが、わずかでも継続率を上げる、新機能を良いものとして認知してもらうための施策とも言えます。
このように、冴島の反省を活かしつつ、ユーザー様に右打ちを楽しんでいただけるようなスペック設計へと変更されました。
ぱちんこというのは、連チャン中のスペックを魅力的にするのは比較的容易ですが、ホール様の利益を確保しなければならないという前提があるため連チャンを魅力的にすればするほど、ユーザー様がその連チャンを味わえないというジレンマがあります。
本機はその点を考え、適度に魅力的で適度に体感できる、バランスの良いスペックになっているという印象です。
~ホール様の扱い~
本機のスペックを考察する上で、ボーダーについて見ていきます。
前述したとおり、見た目ほど甘くはないのが今作の牙狼です。
私自身のユーザーとしての感覚でも「1500発が70%」「900回転で遊タイム」「継続率84%」などは魅力的な数字と思いますが、「初回時短は50回」、「30%は300発」など削るところは削っている無理のないスペックです。
本機よりも前に導入された京楽様の「Pぱちんこ仮面ライダー轟音」(※以下、轟音)と比較してもボーダーでいえば辛く設計されています。
だからといって轟音よりもよく回るという意見は聞きません。
前作の冴島も甘く、ホール様の中にも「牙狼=甘い」「ミドルの遊タイム=甘い」という印象が付いているのではないかと思います。
このボーダーはもちろん遊タイムも加味したものになっていますので、遊タイムだからと言って必要以上に怖がってはいけません。
一部のスロットの天井と違い、遊タイム経由で当れば爆連する!ということもぱちんこにはありません。。。残念ですが(笑)
本機は他のミドル機種より遊タイムを意識しやすいので、「これだけ回るなら遊タイムまで打ってみようかな」とユーザー様に思っていただけるくらい回る方が、結果的に稼働に繋がり、利益に繋がるのではと考えます。
上記は本機だけでの話ではなく、遊タイム付き遊技機すべてに当てはまり今後の遊タイム付き遊技機のマーケットを定着させていくうえで重要な事だと私は感じています。
~同時導入機について~
本機と同じ日に、平和様の「P戦国乙女6 暁の関ヶ原」(※以下、乙女6)とBisty様の「Pエヴァンゲリオン決戦~真紅~」(※以下、エヴァ決戦)が導入されました。
この二機種と比較すると、乙女6の稼働が最もよく本機は2番手となっています。
もちろんどれもビッグタイトルですので、固定のファンの方がそれぞれの好きな機種に回遊したというのもあります。
まだ初日のデータしか出ていないので今後も検証は続けていかなければなりませんが、この3機種に関しては粗利と稼働が比例しているという傾向がありました。
乙女6が最も粗利が低く稼働が高いという結果を残し、エヴァ決戦が最も粗利が高く稼働が低いという結果でした。
同時導入の初日ですので甘く使われている台にユーザー様が引き寄せられたというのは考えづらく、一つの仮説として遊タイムの存在があると思われます。
前述しましたが、遊タイムを意識してから「遊タイムまで打とう」と思うか「遊タイムまで耐えられない!」と思うかは、通常時の演出ももちろん重要ですが、何より1000円当たりの回転数であると考えます。
遊タイムまで何回転の時点で意識し始めるかは人それぞれだと思いますが、仮に2/3を回し終えたところからだとすると、乙女6が残り200回転なのに対し、本機は残り300回転です。
仮に1000円で18回転回ったとして、やはりライトミドルのほうが目指そうという気になります。
ライトミドルである乙女6が最も稼働が高かったのは、単に甘く使っているからではなく、遊タイムに到達するまで回していたからではないでしょうか。
逆にいえば、乙女6と同じ回転数では本機は遊タイムを目指すほど頑張れない可能性があるということだと思います。
~最後に~
さて、今回の記事いかがだったでしょうか。
新しいスペック設計で登場した牙狼に対して、やはりユーザーとしてもホール様としても新しい接し方が求められていると感じます。
今後遊タイム機はほぼすべての機械に搭載されるのではないかという中で、ユーザー様の基準の中に「ボーダーを超えているか」の他に「遊タイムまで耐えられるか」という、新しい回転数に対する価値観が生まれていると思います。
遊タイム搭載のミドルスペックで誰が一番先に覇権を握るか、撤去されゆくCR機の後を引き継ぐのかはホール様とユーザー様次第と言えるでしょう。
それでは今回はここまでと致します。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。
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