意外な理由? 辞めたいという若いアルバイトスタッフさん。

先日若い人たちと浅草でお酒を呑む機会がありました。4人ほどいましたが、全員20代前半です。観光客だったので出身地の話で盛り上がったりしましたが、そのうちの一人──男性ですが、どうやらパチンコホールに勤務しているという事で、何となく気になり、仕事について色々訊いてみました。

 

彼が勤務するのは地方のホールで筆者は名前を知らないお店ですが、600台くらいの中規模店。大学に通いながらアルバイトスタッフとして主に土日に出勤しているそうです。彼自身はパチンコ・パチスロはそんなに打たないとの事ですが、時給が良かったので求人を見て応募。即採用で翌週からオンジョブトレーニングが始まったそうです。

 

パーソナルシステムが導入されているお店という事もあり、仕事自体は「楽です」との事でしたが、しきりに「辞めたい」と言うので筆者としても一体なにが原因なのかが気になり思わず突っ込んでみました。もちろん筆者がコンサルタントである事は言わずに、です。

 

曰く「朝並びの整理が怖い」だそうです。

 

朝並びが出来るほどの人気店であるのならスタッフ数はある程度揃えているはずなので一人頭の負担はそんなに無いのでは……。お客さんの数や朝並びの整理スタッフの数なども訊いてみましたが、配置にさして問題があるようには思えません。更に訊いてみると、どうやら彼は「ルール違反があった時、年上の人に注意するのが怖い」という悩みを抱えている模様でした。

 

ルール違反。

 

ホールとは言え当然公共の場なので、お客さん全員が楽しく遊技できるようにルールは有って然るべきだし、それを徹底して守っていただくのは当然です。出玉に纏わる大きな不正は当然の事として、例えば通路での歩きタバコなども、ルール上は禁止を謳っているホールがほとんどだと思います。ですが実際、ホールでの歩きタバコを口頭で注意した経験があるスタッフはそんなに居ないのではないでしょうか。ウチのホールでは徹底して注意している、というホールさんは、たぶんかなり優秀です。

 

台おさえや掛け持ち遊技なんかも、短時間かつ常連さんであればつい見逃したくなるのも人情ですし、トラブルに発展するのを恐れて見て見ぬふりをした経験は、たぶん誰にでもあります。他のお客さんからご指摘があった場合は当然対処しなければ駄目ですが。

 

ですが、入場時のルール違反は、ホールとお客様の関係というより、お客様同士のトラブルに発展する可能性が非常に高いです。なので営業中よりも、当然厳しい態度で接さざるを得ません。ウカツにも彼のお店が抽選入場なのか並び順入場なのかを確認するのを忘れておりましたが、筆者の経験上、並び順の入場は特にトラブルが起きやすい。前の人を追い抜いて駆け足での入場を行った上に複数台抑え、あるいは本命の台を札で抑えつつのガックンチェックなどなど。もしくは、単純に並び中にタバコの火が当たって喧嘩になったり。押したの押して無いだの、文字通り押し問答になって喧嘩になったり。

 

それらを防ぐためにも、注意するべき所はしっかり口頭で注意する。これはかなり重要です。「この人にはちゃんと注意しましたよ」という店側の態度を周りに報せる事で、周りと本人との喧嘩などのトラブルを、未然に防ぐ事にも繋がります。

 

今は昔に比べるとかなりマシになっていますが、それでも20歳前半の、それも自分で打たない人にとっては、ピリピリした空間に感じても全く不思議はありません。それも入ったばかりで不慣れであればなおさらでしょう。

 

ホールを辞めるスタッフの「理由」でよく聞くのが「人間関係」ですが、それはどの業界も一緒なので除外するとして、ホール独特の理由としてよく耳にするものとして「タバコの臭い」「音の大きさ」「玉運びで腰を痛めた」なんかがあります。「朝並びが怖い」というのは初めてきいたのでちょっと驚きましたが、たしかに、考えても見ればありそうな理由です。

 

アルバイトスタッフの定着率が低い事でお悩みの店長さんは、人に注意するのが苦手なスタッフを、一度全員朝並びから外してみるといいかもしれません。言うまでもなく、大体のお店は慣れた社員がやってると思いますが──。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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