イベント規制と来店ライターについて
昔はホールごとにいろいろなイベントがありました。単純に特定日を強くする系のイベントから、来店ポイントなどによる設定の打ち換えなどを含め、それこそ社員が頭を捻って訴求力のあるイベントを日々考えては実施していたのが懐かしく思い出されます。
潮目が変わったのはやっぱり東日本大震災からでした。それ以前から事あるごとに叩かれていたのは間違いないのですが、あの日を境にメディアからのバッシングも一切の容赦が無くなったように思います。もちろん東日本大震災自体が大変な悲劇であったのは間違いのないことなのですが、PS業界に関わる、特に被災地域・影響地域の方々に関していうと、二重の意味での苦境だった事でしょう。
それに加えてIR法案。そしてオリンピックの誘致。2011年からこちら急速に広がった広告規制の波は、やがて上述の「イベント」を業界から駆逐する事になりました。
代わりに急成長したのが「来店系」のイベントです。
元から某雑誌の方々が中心となってやっていて一定の認知はあったのですが、自主的なイベントが封じられたホールにとって、勝手に取材して全国に向けて出玉をアピールしてくれる来店取材はありがたい存在でした。来店取材を行うメディアの総数を採取している資料は無いので正確な所は分かりませんが、「ライター」であるとか「タレント」「モデル」「コスプレイヤー」「イメージキャラ」「YouTuber」として来店を行なっている(いた)演者は数十とか数百という単位では足りず。最盛期では全国に千人はくだらない数になっていたと思います。
彼らは当初大成功していました。
新聞やテレビに流れていた広告費が一気に流れ込んだのだから当たり前なのですが、ここで独立して企業化したチームやメディアやグループは数え切れないほど多いです。最近筆者が飲み会などで知り合ったコンサルや代理店などの「業界人」は大抵設立から数年。つまりこの時期に来店イベントを踏み台にして独立に成功した人々で、そして彼等は早くも苦境に立たされているようです。
苦境……。
つまり地域差はありますが、イベント告知の禁止が徐々に激化しているからです。あれほど数が多かったライターの数もこの一年ほどで急激に減ってきています。コンサルなどに転身を果たした人々と、自前のメディアで利益を出すことができる一部媒体を除くと、いわゆる来店ライターの人々はホールから取材費を取って生きるしか収益化の道はなく、それが取れなくなったら即座に退場するしかない。実際バンバン退場してます。この先生き残るのは1/10程度の人で、それ一本で生活できるのはさらに半分以下になると思います。もっとひどいかもしれません。だって現状利益化出来ている人は既に別のことをやってますものね。あとはあぶれています。
ではあぶれた人々が何をやるか。2つしかありません。
まずはYouTuberです。今はパチンコ・パチスロ系ライターがこぞってYouTuberになっております。茨の道ではあるのですが、成功したらデカい。現に筆者も月に数百万を稼いでいるパチンコ・パチスロYouTuberを知ってます。これを実現するのには大変な努力と才覚が必要ですし、またグーグルがYouTubeのチャンネル収益化に関して「ギャンブル関連動画」を除外するなどの抜本的な変更を行なったら即死してしまうという危険も孕んでいますが、今の所は「来店で食べていけなくなったライター」が生き残って行くための、現実的な手段にはなっています。
そしてもう一つ。パチンコ・パチスロ業界で培ったツテや獲得したファンを利用して、親和性の高い他の業界で活躍する事です。
具体的に言うと「ボートレース」「競馬」「麻雀」あたり。あとは「ゲーム」も悪くないですが難易度が高いので厳しい道になっているようです。今の所は「ボート」が多いですし実際に収益化に成功してるチーム(?)もありますね。
まあ、実際「イベント」が何のためにあるのかというと、当然ホールの為です。主体はホール。これは間違いありません。もちろんユーザーの為、という側面もあるにはありますが、メインはホールです。集客と利益。そのためのイベントでしょう。なので正直来店ライターがどうなろうと知ったことではないというのが本音ではあるのですが、しかしこの数年間かなり頑張って業界を盛り上げてくれたのも事実なので、あまり不幸にはなって欲しくないなと思います。「来店規制」が緩まる事は決して無いとは思いますが……。
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