プライベートブランドについて考える。

先ごろシリーズ6年ぶりの甘デジとしてリリースされた「ぱちんこ冬のソナタRemember Sweet Version」ですが、今度は株式会社ダイナムのプライベートブランド(PB)機として「ぱちんこ冬のソナタRemember Sweet GORAKU Version」としてもリリースされるようです。

タイトルの「GORAKU(ごらく)」はダイナムが提唱する「パチンコ・パチスロを日常の娯楽にしたい」という想いが込められたPB機の名称で、ダイナムで良く打たれる方は「ごらく」と大きく描かれた特徴的なロゴマークを見かけた事もあるかもしれません。

ちなみに「ごらく」ブランドはこちらで9機種目で、KYORAKUとの共同開発は初めてとの事です。

 

さて。PB機を開発・導入するメリットは一体なんでしょうか。

 

まずメーカー側からすると、開発リソースを節約しつつ新台のラインナップを増やす事ができるという点がひとつ。バージョン違いとは言えマーチャンダイジング的には新台と同じ扱いで展開していけるので、特に本作「冬ソナ」のような原作ファンが多い層への露出を増やしたい場合は大きなメリットになるでしょう。

メーカー側のメリットは他にもあります。PB機は当然の事ながら受注生産になるので在庫リスクを低減する事ができますし、販社も通さないでしょう。これはそのまま機種価格にも反映されます。つまり大幅な低価格化です。導入するホール側のメリットにもなりますね。

 

最後にユーザー側のメリット。

これは単純に既にある台のここをこうした方がいい、などの改良点をホールが吸い上げてメーカーに直接共有する事ができるので、よりユーザー側の目線に立ったチューンナップが施された台を遊ぶことができる……というものになります。

例えば本機「冬ソナ」に関しては大当たりが全て7ラウンドに統一されております。GORAKUブランドではないSweet Versionは4ラウンドと10ラウンドの振り分けがありましたが、4ラウンドの場合は大当たり中のBGMがサビ前で切れてしまう。これがどうにもイヤだ……というユーザーの声を採用した結果、本機は7ラウンドに統一されているという話を耳にしました。これはなかなか凄い。ただスペックありきで漫然と開発しているだけではたどり着けない発想だと思います。さらに「もっとヨン様に会いたい」という声を採用した結果、大当たりラウンド中に「ヨン様によるテーマソングレコーディングする風景」が流れるようになったとの事。

これなんかは立ち回りには1ミリも影響しない改良点なのでメーカー単独開発の機種の場合はさらっと聞き流してしまいそうですが、ユーザーの声を採用した結果レコーディング風景を入れました……となると、見どころの一つとしての説得力がでてきます。

 

と、「マーチャンダイジング」「低価格化」「ユーザー目線の改良」。

ざっと考えただけでこれだけのメリットがあります。

パチンコユーザー数。そしてホール数が減少傾向にある昨今、機械台の足枷は非常に重いです。これが軽減されるだけでもPB機には大きな可能性を感じます。ただ、当然共同開発を行うのにはノウハウも、そしてリソースも必要です。ダイナムのように体力のある大型のチェーン店であればこそ可能な事であって、中小のホールには敷居が高い話でしょう。

本作はダイナムの他、ニラクも共同購買に参加してる模様ですが、すでにあるPB機の、会社の枠を越えた共同購買が広がって行けばあるいは……。

 

先日ダイナム・キコーナ・マルハンという大手チェーン3社での電力共同調達が発表されたばかりですが、これだって、ごらくブランドを軸に考えるとなんだか深い意味があるような気が、しないでもありません。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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