技術介入機の復興なるか? HANABI通

技術介入機というと筆者などはまずユニバーサルの『クランキーコンドル』を思い出します。いわゆる『リプレイハズシ』でのボーナス獲得枚数アップはそれ以前にもありましたが、クランキーコンドルの場合は通常時及びボーナス成立後の小役取得なども必須だった分、技術介入の効果が高いことで注目された機種でした。確か設定1でも機械割は104%ほどになっていたようで、まだ今ほど情報伝達の手段が発達していなかった1995年当時は、一部の『上手い人』がこぞって打っていたように思います。各メーカーともこれを機に技術介入機の開発に本腰を入れる事になるのはご存知の通り。いわゆる『攻略誌』も新台の紹介の際に当たり前のようにリプレイハズシのポイントを併記する時代になりました。

 

そしてそんなクランキーコンドルから3年。満を持して発表された『HANABI』の人気と、業界に与えた影響の大きさはご存知の通り。ホールでは未だにシリーズ作が次々と投入されておりますが、新作はアクロスより発売される『HANABI通』との事です。こちらは5月導入予定で、5.9号機でのリリースとなります。

 

アクロスと言えば先日導入されたばかりの『ドンちゃん2』が話題になっています。こちらは4号機時代は複合役の奪取が必要で、ある意味ではHANABI以上の技術介入機でしたが、6号機という事でまだ様子見なのでしょうか、ボーナス1回あたりの獲得枚数が下がっている分、液晶の演出で勝負せざるを得ないという、一種の試験作のように感じました。もちろん複合役も搭載されているのですが、6号機ドンちゃんは設定推測のための要素になっており、出玉には影響がありません。その分液晶演出の出来は大変良く、6号機のノーマル機が進む、ひとつの可能性を示しているように思います。

一方5.9号機でリリースされる『HANABI通』ですが、こちらは5号機初代HANABIに比べると機械割に直接影響がある技術介入の要素が増えているとの事。REGに枚数調整が必要になった事で獲得枚数が増えている他、個人的に面白いと思ったのが、BIG後に突入する『花火CHALLENGE』に逆押しのナビが出なくなっている点です。つまり、花火CHALLENGE中は中押しあるいは逆押しで常に全小役をフォローしつつ突入リプを察知し、必要があれば外さなければいけません。

これを『面倒くさい』と取るか『面白そう』と取るかは意見が分かれる所かもしれませんが、『ディスクアップ』がこれだけユーザーに支持されている現在、技術介入要素を少しでも増やすという選択は、狙いとしては非常に良いのではないかと思います。

 

さて。5号機になっても『技術介入』という言葉は残り続けています。『ひぐらしのなく頃に』のように注目された機種ももちろんありましたが、いまいちユーザーに広く受け入れられたとは言いづらい状況です。そんな中で『ディスクアップ』が作った流れを『HANABI通』がどれだけ定着させる事ができるか──つまりは、技術介入機復興は果たして成るのかどうか。完全に規制との戦いになるのは勿論ですが、『誰が打っても同じ出玉』というのは遊技機としてのパチスロの存在意義にも関わってくる話だと思うので、筆者はこの『HANABI通』が市場に受け入れられるかどうかに関して、かなり注目しております。

 

──そういえば、4号機時代、技術介入機の間口を広げるために開発された『花火の親方』という台がありました。ビギナー向け、という事でリールのコマ数を減らして3コマ滑りにした台でしたが、あれは逆に目押しが難しかったです。間口を広げる……という理念は素晴らしいですが、なんだかお茶目な失敗をするもんだなぁと、当時の感じたのをふと思い出しました。

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