~ パチンコ枠について考えました ~

職業がら、色々なセミナーなどに参加する事がありますが、たまに「枠外思考」という単語が聞こえる事があります。
「枠」というのは「常識」の事で、それに囚われずに自由な発想で物事を考えるという意味になります。

よくディスカッションなんかで言われる「ブレインストーミング」に近いかもしれません。

商品や企画などを考える時にはいかにして新しいものを生み出すか。どうやってユーザーさんに新鮮な驚きを与えるかが常に課題になるものですが、時として邪魔になるのが各々の思考の「枠」でありまして、それを突き破って新しい何かを生み出すのが、ヒット商品を作る為に最低限クリアすべき壁になります。

パチンコ業界でも時折このような枠外級のブレイクスルーが起きますが、先日ふと思い出したのが『CR必殺仕事人』です。

ご存知、京楽が2001年に発売したCR機ですが、ファンの多い時代劇とのタイアップ機であったのはもちろん、そもそもの演出の出来が非常に良かったことから大人気の機種になりました。全ての中核を成すステップアップ予告。フラッシュやカットインの有無で信頼度が変わるSPリーチなどなど。

中でも最も注目を集めたのが「P-Vib」と呼ばれる激アツ演出でした。

これはハンドルの中に振動機が埋め込まれており、リーチ発生時や図柄始動時にハンドルが震えるというものです。

今となってはそうそう驚きもありませんが、当時これは大変な話題になりました。なんせ、それまで文字通り盤面の「枠」の中でだけ発生し完結していたパチンコのゲーム性を「枠外」にまで広げたのです。大げさかも知れませんが、パチンコというゲームそのものの遊び方を変える、天才的な発明です。

「コロンブスの卵」という言葉があります。

新大陸を発見について「そんなものは誰でも出来る」と評した人に「ではここにある生卵を机の上に立てて見てください」と返したコロンブスの言葉に、誰もそのとおり立てる事はできませんでした。一方コロンブスは卵を思い切り机に押し付けて底面を割り、見事机に立てて見せ、「これを見せた後は誰でも同じように出来るけど、それまでは誰も出来なかったでしょう」と、得意げに言って見せたそうです。
今では枠外での演出はそれこそ当たり前のように存在します。
ですが、最初にそれを成したコロンブスが「CR必殺仕事人」の京楽であった事を、我々はたまには思い出した方が良いのかもしれません。

ちなみにその頃、パチスロではIGT Japanが「ブルドッグ」という機種を出しました。
こちらは停止ボタンが振動する台でしたが、ほぼ同時期にパチンコとパチスロの両方で別々のメーカーが枠外思考に振動を用いてたのは、とても面白い偶然だと思います。

事実は小説より奇なり、ですね。

~ 次回予定 ~ 未定 ~

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