これからのパチンコ店の販売促進を考える ~第二弾 販促が大きく変容したことの振り返り~

こんにちは、連日の猛暑により都内でも観測史上初の40℃を越えの暑さを記録しており、外回りをしているとホール様に立ち寄り涼しい快適空間でちょっと一休みしたい欲求に駆られることが多くなっている株式会社ピーマップスの広告営業部、川添です。

前回、ご挨拶とパチンコ業界の歴史を簡単ながら振り返りをさせて頂き、今回は、大きなターニングポイントと感じた東日本大震災が発生した2011年から現代に至るまでの販促についてフォーカスして行きたいと思います。

当時、震災が起きるまでの販促は新装開店、自店集客性の高い出玉系イベントの『点と点』を『線』で結びながらピーク稼動を構築するため、そのホール様の立地にあった条件によりメディアを検討してデザイン・印刷・配布に追われる日々を過ごしていました。
2011年3月の震災を皮切りに震災直後はホール営業の自粛、その後はネオンサイン等の消灯や新台入替、新規出店等申請を伴うものの自粛、広告自粛を実施し、その後6月には警察庁から「広告・宣伝等について」「パチンコ営業の営業所の構造及び設備について」が通達されました。 イベントとそれに伴うイベント広告が実質不可となりました。 翌2012年7月には、警察庁は「ぱちんこ営業における広告、宣伝等の適正化の徹底について(通知)」を発表し、広告・宣伝の方法について厳格化され、それまでの露骨な出玉イベントが出来にくくなった分、お店の特日に併せてライターさん来店、○○ガール来店などで出玉系イベントの代替えとして開催していたのも思い出します。 まだまだ、折込チラシやポスティングチラシなど紙媒体が主な広告の時代でもありました。

地域によって様々な違いがあると思いますが、東京エリアにある当時私のクライアント様の過去デザインを見直しながら感じたのは、まさに2011年7月ぐらいから出玉系イベントのアピールから、来店系イベントに変化していることは上記に述べる規制に伴っての事でした。それ以外にも震災以降は、お客様の動向にも変化が見られ、時勢の流れで遊技欲求は有るがお店へ来店したくても周囲の目線を気にして来店出来ない方も相当数居たことを思い出します。図表2に示した2010年度と2011年度の遊技参加人口を比較すると410万人も離反したことがその状況を物語っています。しかしながら、この頃スロットでは高い人気を誇るART機北斗・番長2や、パチンコでは50%で約2000発出玉が獲得が出来る人気ライトミドルなどの登場により図1に示した一人当たりの年間遊技費用は増加しており、遊技人口推移を加味すればヘビーユーザーやコアファン化が進んでいったとも考えられます。

※図表1

販売促進の方は2012年、2013年度ぐらいまでは、出玉系イベント告知が無くなっても新装開店告知の折込チラシは、まだまだ健在の時代でした。 しかし、高齢層のお客様は新装開店の新台以上に通い慣れたお店から動かないため、2014年頃からは若年者の新聞離れにより新聞折込では訴求効果が低くなっていることも問題視され、大手チェーン店はWeb広告。 地域密着型店はポスティング広告へと、販売促進のスタイルが大きくシフトしていった時期でもあります。 また、その当時私も、特定機種訴求の装飾や、ポスティングチラシのランニングなど目の前にある仕事をこなすことで精一杯となり、広告マンとして嬉しい悲鳴ではあったのですがWeb広告などの新しいツールに手を出す余裕はありませんでした。 その後の販促需要は、ポスティング自体の費用対効果が薄いために需要も徐々に無くなっていき、2016年ぐらいからは替わりの販促物として地域密着型の販促へ以降していくことになり現在に至ります。 また、地域密着販促についてのお話は今後させて頂きます。

※図表2

スマートフォン普及率と因果関係を調べるため、再度図表2を作製してみました。
オンライン・ソーシャルゲームの売上げは2010年以降スマートフォンの普及と共に2016年までに1兆2千億円と500%近い成長を遂げております。中央競馬売上については微増。 麻雀ゲーム料売上は微減。肝心のパチンコ売上げは低下の一途をたどります。このデータだけでは売上下降要因がスマートフォン普及が原因とはいい切れませんが、ソーシャルゲームの影響は少なからず出ているようにも思えます。
世の流れは今後もスマフォによるソーシャルメディアを始め情報化社会が加速化し、パチンコ業界の販促も更なる変化が起こると予測できますので、今後お話しをしていければと思います。

最後に2010年から2016年の比較で中央競馬の売上が伸びていることに注目すると、昔に比べてイメージも一新されて競馬場はクリーンな環境になり家族で遊びに行く施設としての充実化を図った事が売上上昇の一因と推測することは出来ます。
以前の競馬のイメージはおじさんたちが咥えタバコをしながら、赤鉛筆を耳に挟み予想新聞を食い入るように見ている姿、まさに鉄火場的なイメージでした。
今でも同等のスタイルの方々は多少健在だと思いますが、競馬場は原則的に禁煙であることにパチンコ業界も学べることはないか、次回はそんな喫煙にまつわるテーマをお話出来ればと思います。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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