ギャンブル依存症(ギャンブル障害)を考える

前々から言われていましたが、健全化推進機構が来年1月までに依存防止対策調査を開始するようです。まだ調査の内容はわかりませんが、同機構が現在進行系で行なっている遊技機の立入検査と同じで、実際にホールに来て取り組みをチェックする事になるのかもしれませんね。

 

IR法案からこちら、我が業界内でもギャンブル依存症(正しくは「ギャンブル障害」と言うそうです)の防止にまつわる取り組みが盛んになってきました。本来は既に全てのホール様がこの取り組みを行なっていなければならない事になっているのですが、実際の所なかなかそこまで手が回らず、例えば役職者の方が研修を受けるだけだったり、あるいはギャンブル障害に関するポスターをトイレなどに貼っているだけのホール様が多いのではないでしょうか。

大手法人様は既にプロの団体に指導を受けたり、社内研修を開いたりして、積極的に取り組んでいらっしゃるという話も聞きますで、今後は接客の現場でも、そういう努力が形となって見えてくるのではないかと思います。

 

さて、「ギャンブル障害」というものは、自力での改善が大変に難しい「状態」だと言われています。そう、これは「状態」なのです。誤解されがちですが、これは病気ではないのです。

病気だったら外科的・内科的な治療ができます。鬱病に効く薬があるのと同様に。しかし、ぱちんこを打ちたくなくなる薬なんぞありません。これが「状態」と表現される所以なのです。

 

では「ギャンブル障害」は一体どういう状態を言うのかを考えてみましょう。

よくホール様のおトイレ等に貼ってある依存度を測るチェックリストがありますが、あのリストが言わんとするところは、しっかり読むとたった一つなのです。すなわち、「日常生活に支障が出ているかどうか」という点なのです。

と言うことは、どれだけぱちんこを打って、どれだけ時間とお金を使っていても、それが日常生活に支障がなければ「ギャンブル障害」ではないのです。逆に、例え僅かなお金だとしても、使ってはいけないお金を使ってしまえば、その時点で日常生活に支障が出ることになりますので、これはもう「ギャンブル障害」になるのです。

つまり「ギャンブル障害」とは頻度や多寡は関係ないのです。まずここを理解しないと、「ギャンブル障害」に対策は出来ません。

 

 

日々ホールの現場で頑張っていらっしゃるスタッフさんは、本当にお客様の事をよく見ていらっしゃいます。あの人毎日来るなぁとか、今日は凄くお金を使っているなぁ等その日その時の様子を。これを更に注意深く観察していけば、もしかしたらそのお客様が「普段の様子と違う」その先の「状態」も分かるかもしれません。寂しそうだったり、辛そうだったり、悲しそうだったりが。

 

是非、そんなことを感じ取った時には、お客様に声を掛けてあげてください。「今日は寒いですねー」「雨が振りそうですね。傘ありますか」何気ない一言でも良いのです。その対話を封切りに、もしそのお客様が「ギャンブル障害」に陥ってしまっているようならば、適切な対処先(相談先)を紹介してあげてほしいのです。

それこそが、ホール様のスタッフさんにしか出来ない、最強の水際対策=「ギャンブル障害」への対策なのです。

 

ギャンブル障害という「状態」に陥る原因の多くは、「寂しさ」からだと言われているのですから。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

新着記事