「利他」のサービス

先日雨降る中、とあるホール様でサクッと必殺仕事人を打った帰りのことです。ラッシュこそ引けなかったのですが、そこそこの玉が出たので、景品カウンターまで足を運ぶことに。そこで女性スタッフさんが最後私にかけてくれた一言、それがとても良かったのです!

「お足元にお気をつけてお帰りください!」

 

この言葉は、客である私の無事の帰りに対する心配りや真心なのです。つまり「利他」からくる言葉だったのです。その人を丸ごと暖かい思いやりで捉えているのです。

「利他」の言葉というのは、ストレートに心地よく心に入ってくるものです。

「ありがとうございました」

この言葉はぱちんこホールに限らず、どこのサービス業の現場においても、客の立場では当たり前にかけてもらうものです。そしてそれを店側に言われたところで、特に喜びを感じることもありません。客としては、聞き慣れすぎてしまっているからでしょう。それとともに、この言葉は、来店に対する感謝の気持ちです。つまりお店側の気持ちであり、お店側の都合や事情から出る「利己」の言葉とも言えるのです。

 

とかく人は「利己」に走りがちです。それが生き物である人間の本能なのですから、ある意味当たり前のことです。けれども、どれだけ「利己」を排除し、「利他」を追求できるかが円満な人間関係を作るコツになるのではないでしょうか。サービス業の現場でも同じことが言えるのです。つまり、お客様への「利他」の心を追求していくことで、心を打つ真の接客というものが作られていくのではないでしょうか。

 

とあるホール様には、お客様へのサービスの一環として、店内片隅に飴玉が置いてあります。口寂しさ紛らわせや風邪防止というお客様に対する気配りなのだと思います。つまり「利他」の気持ちからはじまったことなのです。けれども先日そちらのホール様に久しぶりに伺ったら、「飴玉はお一人様1つに限らせていただきます」という「利他」とは反する言葉が付け加えられているではありませんか。こういうのを見ると、何だかなーと、とっても残念に思うのです。きっと一人で多くを取ってしまうお客様がいたのでしょうが、たかが飴玉です。そこまで書く必要があるでしょうか。折角お客様への真心からはじめたサービスが台無しです。

 

「お手洗いを清潔に使ってくださりありがとうございます」

「またのお越しをお待ちしています」

これらは根本を手繰ると全て、お店側の都合や願い、つまり「利己」からきているのです。感謝の気持ち等を示すことは、客商売をしている以上当たり前のことです。それに加え、「利他」の気持ちをどう上乗せしていけるか。それが、真のホスピタリティーとなるのではないでしょうか。

 

 

お客様の利益(それは玉を出して勝たせるというだけのことに限りません)=お客様を思いやることを徹底して考える「利他」のサービスをもう少し掘り下げ考えていくことが、「感動」を呼ぶ接客となり、リーピートしたくなるホールになるのではないでしょうか。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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