「コミュニケーションの邪魔」をする振る舞い

先日お友達のホール店長さんと飲みに行った席でのお話です。
彼は典型的な単店に在籍しているので、機械選定から運用、そしてスタッフ管理まで全てをこなすオールラウンドプレヤーです。業界歴も長く、とても勉強熱心であり知識も豊富な人です。私と同世代ということもあり、彼とのお酒は、とても勉強になりそして楽しい時間でもあります。

そんな店長さん、飲みが進むうちに、若いホールスタッフの方々とのコミュニケーションをとることに苦労しているとのことで愚痴がではじめました。「言ったことが、正しくなされない」「当然わかっているであろうことが、全くわかっていない」等など。そんな話を聞いていると・・・・うーん、確かにそうかもしれないと思い当たることがあるのです。何をというと、飲み仲間としては楽しい人なのですが、彼が飲み屋の従業員さんに接する態度などを鑑みると、その店長さんが上司となると・・・少し問題があるのかなと思う節があるのです。彼の優秀さと年齢が、仕事場での「コミュニケーションの邪魔」をしてしまっていることがあるように思われるからなのです。

その居酒屋さんで彼は、従業員さんが他のお席を片付けお皿を両手で持って運んでいる状況にも関わらず、呼び止めバーーーっとオーダーをしたりするのです。全く人のタイミングなどは考えないで。しかも、とても早口で。従業員さんに「少々お待ち下さい。今伝票お持ちします」の一言を言うすきも与えません。その従業員さんもオーダーを全て覚えられるはずなどありません。当然の如く、オーダーしたはずの物がテーブルには届かず、それで又ワチャワチャとなるのです。

相手が話を聞ける状況にあるのかどうかという「タイミング」、そして一度に自分の言いたいことを全部言い放つ「情報量」が適切か否か、又相手が伝えることを聞き取れるかどうかの適度な「言葉の速さ」、そういった配慮がないなーと思ったのです。でも、彼は、自分だったら、そのくらいのことは簡単にこなせるのだから、他人も当然できるだろと、少々身勝手さがあるようなのです。他者に対する丁寧な対応にかけてしまっているように思われたのでした。当然、こういった習性は職場でも出てしまっているのではないでしょうか?

あと、もう一点気になったのは、彼の発言に横文字や、やたらと難しい言葉が多いこと。彼の聡明さは、その会話の中に出てくるボキャブラリーでもわかるのです。ですが、自身の賢さを誇示することが、コミュニケーションを邪魔することになってしまっているように思われるのです。
飲みの際のお喋りならば、わからない言葉や用語などは、スルーしても問題ありませんが、仕事となるとそうはいきません。早口に、そして知らない用語を用い、一度になんでもかんでも言われたら・・・・きっと彼の部下は、彼を高圧的な店長として受け止め、気後れして質問や確認ができなくなってしまっているのではないでしょうか。特に年長者の言動や振る舞いに、若者は萎縮するものです。

年配者となると、自分は自身の言動を高圧的と思っていなくても、下のものはそう感じるものです。そうなると必要なことですら、身構えて言ってきてくれなくなるのです。重大なミスを防ぐためにも、なんでも言いやすい雰囲気、そして関係性を築かないといけませんね。

私も立派な中高年世代。気付かぬうちに、こうした自分本位な振る舞いをし、円滑な「コミュニケーションの邪魔」をしてしまっていることがあると思います。気をつけたいものです。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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