要望を不満に変えるタイミングと言い方

最近は夏日のような暑い日もありますね。お店ではクーラーをかける日も出てきていると思います。
さて、先日うちの夫が行きつけのホール様にもう二度と行かない!!と言い出しました。それは、彼がそのホール様に遊びに行ったところ、どうにもそのホール内が暑くてたまらなかったのだとか。ホールスタッフさんも汗顔の様子、そこで彼はスタッフさんに「もう少しエアコンを効かせてほしい」とお願いをしたそうです。すると、そのスタッフさんは「うちは推奨されています28度を適温で管理していますので」と、シャーシャーと言ったそうです。なぜ28度に拘るのかが疑問であると同時に、その一言が彼にとって決定的におもしろくなかったようです。

そこで、二度とこのお店には来ない!と思ったとのことです。ぱちんこ店は近くにいくらでもあり、代わりの店はあるのだからと。

そう、不満を抱いた多くのお客様は、彼のように黙ってそのお店を去るのです。
最初彼は店内温度が不快であったことに間違いはありません。ただし、嫌な気持ちではなかったのです。それが、もう少し快適な温度であることを望み、その願いを、あたかも「この省エネ時代28℃で保つことが当然であり、それ以下の温度を求めることは非常識」と言わんばかりに、一刀両断されたことがおもしろくなかったのです。彼が決定的に嫌な気分になったタイミングとは、スタッフさんがひと言最初に発した段階だったのです。

今回のケースは、スタッフさんの言い方とタイミングが、お客様である夫のただの要望を不満に「育てて」しまったということです。要望に応えられない店側の説明が、正当化に聞こえ不愉快になることってよくあるものです。今回はまさしくそれです。
なぜ、もう少しお客様の立場に寄り添い、その要望に応えられない心苦しさを表せなかったのでしょうか?また、こうもスラスラと言い訳が出ると言うことは、度々お客様から同じ指摘を受けているのかもしれません。そうであれば、上司にそういった声がお客様からあることを伝え、改良を考えるべきでしょう。そして、そういう説明(今一度お客様の要望に応えられるよう、社内で検討してみます等の説明)こそを、お客様にすべきなのです。

クレーム数の10倍のお客様は黙ってお店を去っているという事実があります。
最初の一言を間違えたことによって、取り返しのつかない不満を生んでしまうことがあることを、肝に銘じる必要があるのです。

最後に主観ですが、役所などとは違い、サービス業での空間では、いくら省エネに勤めなくてはならないにしても、やはり28℃という温度設定は厳しいように思われます。少なからずスタッフさんが汗だくでホールまわりをしているのでは、お客様が快適とは思えませんね。なんでも、室温が25℃から28℃に上がると生産性が6%低下するという調査結果もあるそうです。私は女性なので、あまりクーラーが効きすぎても辛いですが、26℃あたりが女性にも男性にも、不快なく過ごせる温度なのではないでしょうか?
自店の適温は何度なのかを、今一度考えてみる機会にしていただけたなら、幸いです。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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