「P新世紀エヴァンゲリオン~シト、新生~」導入~今後の定番シリーズ機に求められるもの

今週より「P新世紀エヴァンゲリオン~シト、新生~」が導入されました。

目玉とされる大型タイトルがない今年の年末年始商戦を乗り切るにあたり、重要な役割を担う機種であることに間違いありませんが、一部の地域では、パチスロ旧基準機「バジリスク絆」が完全撤去された直後でもあり、パチスロの売上減少を補填する役割も期待されるところです。

今回は、本機種の導入・稼働状況をレポートし、今後の動向を検証したいと思います。

 

◆主力機と位置づけられた運用

都内の繁華街に立地する導入店舗を幾つか視察したところ、ほぼ全ての店舗で、メインエントランス付近に10台以上のまとまった台数が島~BOX単位で設置されていました。3台未満のバラエティ導入に抑えた店舗は総設置台数の少ない小規模店舗に止まり、今年の年末商戦におけるパチンコの中心的存在と位置づけられていることが分かります。

 

稼働状況に関しては、導入3日目の平日昼間に視察したこともあり、軒並み満席を記録するまでには至らなかったものの、稼働率50%を下回る店舗はなく、平均でも約75%という高い数値を記録しました。客層を見ると、コアターゲットとなる20代後半~40代前半の男性を中心としながらも、50代以上の年配層や女性層も目立ち、幅広い年代のユーザーを集客していたことが窺えます。

 

「エヴァンゲリオン」シリーズは、リリースサイクルの短さに伴うマンネリ感から、一時期持ち合わせていたブランド力が損なわれてしまった印象は否めませんが、その一方で、約15年に及ぶシリーズ化が奏功し、作品を知らない中高年ユーザーにも認知度が上がったことは確かです。パチンコというジャンルにおいては、若年ユーザーにカリスマ的人気を誇るコンテンツから、老若男女が親しみを持てる定番コンテンツへと変貌を遂げたと捉えることができ、この安定感が本機種の集客にも好影響をもたらしたと言えるでしょう。

 

◆演出は概ね好評価だが、出玉や連荘に言及する意見は少数

各種サイトによるファンの評価を見ると、「懐かしい」とする声が多く挙げられました。本機種は、歴代シリーズ最大のヒットを記録した「CR新世紀エヴァンゲリオン~使徒、再び(2008年)」をベースとし、レイ背景、キャラ群などの代表的な演出、及びその法則性とプレミアムパターンが当時のままに再現されているため、ある意味、当然の評価と言えなくもないのですが、プレミアムとされる「格納庫背景」や高信頼度とされる「リラックスステップアップ予告」出現時などに当時の感覚を思い起こしたユーザーも多いようで、ユーザーには今作の意図する演出の面白味や醍醐味が存分に伝わっているかと思われます。

さらに、通常時の賑やかしや画面変化、煽りを大幅に抑えた初期シリーズのゲームバランスが再現され、この部分も当時を知る「エヴァ」ファンのほか、ここ最近の派手な演出に疲弊感を覚えるヘビーユーザー層に好意的に捉えられています。しかしながら、その一方で、「~使徒、再び」の遊技経験がないユーザーには何も起こらないことに対して退屈なイメージが広がっているようで、やはり、初期の「エヴァンゲリオン」シリーズの特性を理解しているか否かに応じて、評価に個人差が生じてしまう点には注意したいところです。

 

また、ここ最近登場した他の話題機種と比較すると、出玉や連荘の良し悪しに関する意見が少数に止まった点も看過できません。今作は、小当たりRUSHやプレミアムと位置づけられる「新生モード」を新たに搭載し、出玉性能の強化を図りましたが、これらの発動条件は厳しく、いずれも付加的な位置付けに止まっています。実際、視察店舗では、10R比率の高さが奏功し、終日単位では2万個以上の出玉を記録した台が複数確認されたものの、連荘1回あたりで見た場合の獲得出玉は概ね5000個前後に止まり、8~10回の高い連荘が生まれなければ、出玉の一撃性を発揮することは難しい状況にありました。

この様に出玉・連荘性能に関しては、ノーマル確変ループとして、良くも悪くも標準的な範疇に止まり、これまで登場してきた「エヴァンゲリオン」シリーズのイメージを大きく変換させるまでには至っておりません。安定性や安心感に長けたスペックであることは間違いないのですが、本機種のメイン客層となる20~40代男性の中には、遊技に際して「勝ち」や「大量出玉」を求めるユーザーも決して少なくなく、これまでのシリーズと同様、何か物足りない印象が生じてしまうかもしれません。

 

◆ロングヒットに向けて

以上の通り、「P新世紀エヴァンゲリオン~シト、新生~」はシリーズ機としての高い知名度や安定感を活かし、導入初期のスタートダッシュに成功し、「~使徒、再び」を再現した演出に対しても概ね好意的に捉えられましたが、出玉、連荘性能に関わるスペック面で十分な満足度を勝ち取ることができず、ここ最近のシリーズ機における課題が今作でも垣間見えることとなりました。

特に1月以降は「高出玉+高速」を謳ったミドルタイプが多数導入されるため、本機種の核とされる20~40代男性の流動を防ぐことは難しいかもしれません。この様に考えると、年末年始商戦が明ける1月以降は、本機種と「高出玉+高速」ミドルタイプとの間でユーザーの回遊を途絶えさせない様にし、集客と稼働の減少を抑えることがポイントとなりますが、その際には、ノーマル確変ループタイプが適合しづらくなっているというスペック面での希少性を活かし、「高出玉+高速」タイプで満足に勝てなかったユーザーの受け皿と位置付けていくことが妥当かと考えられます。つまり、「通常大当たりでも1000個以上の出玉と100回転の電サポを獲得できる」という安心感で、ユーザーに遊技選択肢の1つとして常に意識させつつ、最終的にはユーザーが両者を回遊する、もしくは時間や予算に応じて遊技を切り替える状況を構築し、ロングヒットを狙いたいところです。

 

◆今後の定番シリーズ機に求められるもの

今回の「P新世紀エヴァンゲリオン~シト、新生~」の運用状況を踏まえると、かつてのブランド力は損なわれたとは言え、ホール内では、これまで実績を残してきた定番シリーズを依然営業上の重要な位置付けと捉えていることが分かります。パチンコ全体が大きく好転する材料も未だ見当たらず、恐らくこの傾向はますます強まっていくことでしょう。

ただ、1タイトルあたりの販売台数が減り、市場への影響力が徐々に薄れている状況を踏まえれば、定番シリーズであっても、主軸機として中長期的な設置を続ける上では、シリーズとしての「安心感」と直近のシリーズにはない「刺激」の両方をファンに常に提供し続けていく必要があります。この「刺激」に関しては、新たなデバイスや出玉システムを設ける、旧基準機の出玉性能を再現するなど、様々なアプローチがあるかと思われますが、2020~2021年のパチンコ運用を安定させる上でも、これからは「安心感」と「刺激」を兼ね備えたシリーズ機が登場していくことが望まれます。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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